研究室紹介と研究内容
本研究室は平成17年4月から動物科学科に新設されました。実験動物学とは「実験動物に関する総合科学」であり、動物実験の再現性を限りなく求める学問です。そのためには、動物自身の遺伝的および微生物的統御であったり、飼育環境統御であったりしますので、非常に幅広い知識が必要になってきます。授業では、実験動物学Ⅰ、Ⅱに加えて動物防疫学及び同実習等を担当しております。特に認定校の大学生であれば受験が可能となった実験動物一級技術者の資格取得を意識して授業を行っております。
研究としては無菌マウスや遺伝子改変マウスを使用した抗酸化酵素スーパーオキシドジスムターゼ(SOD)の研究やウシ乳房炎の抗生物質によらない治療の研究をやっております。さらに、珍獣チンチラ(ヤマアラシ亜目)を腸内細菌の研究のため、20匹程飼育しております。研究室の教育目標は微生物学や衛生学を含めた実験動物の飼育管理や実験手技を身に着けること、また研究目標は個性とインパクトのある研究です。
教員紹介
- 氏 名:天尾 弘実 教授
- 学 位:博士(獣医)
- 専門分野:実験動物学
- 担当科目:実験動物学ⅠおよびⅡ、動物防疫学、動物防疫学実習、基礎分析化学実習等
- 一 言:大学時代はウシやヒツジが相手だったのですが、
- 卒業後すぐにラットの繁殖を専門とする研究所に6年間勤務し、
- 本学での28年間は実験動物学一筋です。
- 氏 名:川角 浩 講師
- 学 位:博士(医学)
- 専門分野:臨床細菌学
- 担当科目:動物防疫学、動物防疫学実習、基礎分析化学実習
- 一 言:2005年より実験動物学教室講師となり現在、
- 抗生物質に頼らない細菌感染症の治療を検討しています。
Close-Up「研究」
1.抗酸化酵素活性と腸内細菌の相互関係の解明:無菌環境で維持される腸内細菌を全く待たない無菌動物を使用して、腸内細菌と抗酸化酵素活性の相互作用の研究をしています。活性酸素を消去する役割をしている抗酸化酵素の活性を、腸内細菌を調節することで腸管内で統御できれば、活性酸素が原因となる腸疾患の新たな治療が開発されるかもしれません。今のところ、抗酸化酵素のうちSOD-1およびSOD-2の活性に腸内細菌が影響していることが徐々に分かってきました。SOD-1ではmRNAや蛋白発現でも同様な傾向を示しました。
2.抗生物質に頼らないウシ乳房炎の治療剤として、現在、1)ウコン、ノニなどの植物、2)カブトムシ由来の抗菌ペプチド、defensin の改変産物、3)ウシ乳汁由来の乳酸菌、などに注目しています。抗菌製剤としては、ウシ乳房炎の起因菌として最も重要視される黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)だけでなく、幅広い抗菌スペクトルを有する製剤の開発を目指しています。またこれらの物質は、抗菌作用だけでなく、宿主細胞に対する抗炎症作用、免疫賦活作用も期待され、今後、細菌、宿主の両面から科学的エビデンスを検証する予定です。
学生からの一言
長 孝一郎(大学院1年)
当研究室には私を含め大学院生が3人所属しています。そのうち私を含む2人が実験動物一級技術者の資格を取得しました。2級を持っている方は更に上を目指して一緒に勉強してみませんか。動物に触れる機会の多さと、動物科学科で唯一微生物を扱っているのも当研究室の魅力の一つだと思います。実験においては院生、学部生関係なく皆で協力して行うアットホームな研究室です。
新井 裕紀子(4年)
この研究室は、知識や技術が基礎から応用まで多彩に学べて、将来専門的な仕事に就きたいという人にはうってつけだと思います!実験動物一級技術者の資格取得に向けて学ぶことができ、今年は私も受験しました!!また、他の研究室より実験や当番が多いこともあり、社会人並の高レベルのチームワークを持っているのが私達の自慢です。そんなチームワークだからこそ、皆で知識・技術を高めあい、支え合いながら行った実験の達成感は最高なんです。堅苦しいイメージがあると思いますが、研究室の教授ともお花見に行ったりしてわきあいあいです。是非、興味があるならばお気軽に見学にいらしてください!
三上 隼人(3年)
マウス、チンチラの当番や実験の手伝いなどで忙しい毎日ですが、1、2年生の講義で習った事柄を実際に活かすことができる研究室です。また、細菌を扱った実験も行うことができるので多くの経験を積むことができます。実験は細かい作業が多く、動物を扱っているため毎日交代で飼育管理を行うことは大変ですが、仕事に対する責任感や忍耐力を身につけることができる研究室だと思います。


























