食のいま

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第6号:「あまい話(その1)甘いペプチドとは?」

右の構造をもつ食品添加物をご存知ですか?

砂糖に似た柔らかい甘みを持つ一方でカロリーが極めて低いところから、ダイエット飲料などの表示ラベルに良く見られるアスパルテーム(aspartame)と呼ばれているアミノ酸が2つ結合したペプチド型の甘味料です。砂糖の150~200倍の甘さを持っています。加熱したり、長期の保存では部分的に壊れて甘味を失ってしまうという欠点がありますので、調理を必要とする食品ではお目にかかることは少ないでしょう。


それでは、次の構造をもつものは何でしょう。これはネオテーム(Neotame)と呼ばれている新規の甘味料で、アスパルテームのアミノ基にジメチルブチル基が結合されているものです。砂糖よりも7,000~13,000倍甘い合成甘味料です。アメリカの食品医薬品局(FDA)は2002年7月に販売を認可しています。既に世界21か国で認可されており、日本でも添加物指定を検討中です。菓子類や清涼飲料など、皆さんの目に触れるときがもうすぐ来るかもしれません。


このように、アミノ酸類が結合してペプチドに形を変えると、味やホルモン作用など予想もできなかった新しい特性を持つことがあるのです。あなたもペプチド科学の世界の扉を開いてみませんか。