食品中の発がん物質アクリルアミドのリスク評価

食品科学科 食品安全学教室教授 吉田 充

アクリルアミドのリスク評価のためのデータを提供

 アクリルアミドは、食品を揚げる、炒める、焼くなど120℃以上で加熱加工・調理すると、アミノ酸の一種であるアスパラギンとブドウ糖や果糖が反応して生成します。一方、ゆでたり煮たりの調理では温度は100℃以下に抑えられるので、アクリルアミドはほとんど生じません。じゃがいもはアスパラギンを多く含むのでアクリルアミドができやすく、フライドポテトやポテトチップスはアクリルアミドを比較的多く含む加工食品です。

 吉田充教授は、内閣府食品安全委員会のアクリルアミド・ワーキンググループの一員として、食品中のアクリルアミドのリスク評価に協力しています。その中で、カレーやシチュー、肉じゃがの調理における煮込む前の下炒めで、じゃがいもや玉ねぎから生じるアクリルアミドの実態調査を行い、下炒めによりじゃがいもに生じるアクリルアミドはフライドポテトやポテトチップスのアクリルアミドよりもかなり少ないことを明らかにしました。しかし、玉ねぎを茶色になるまで長時間炒めるとフライドポテトと同程度のアクリルアミドが生じることも示しました。

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野菜を炒めるとアクリルアミドが生じます

食の安全をおびやかす危害物質について
系統的に学べる「食品安全学」

 吉田教授の担当する2年次の講義「食品安全学」では、アクリルアミドのような加工・調理の工程で生成する物質だけでなく、キノコ毒やフグ毒のような生物毒から、カドミウムやヒ素、放射性物質のような環境汚染物質についてまで系統的に学びます。農薬や遺伝子組換え食品のリスク評価についても取り上げます。なお、食品添加物のリスク評価については、3年次の「食品添加物論」という講義の中で学びます。

食品安全学教室で採取したキノコ

就職先は、検査・分析から研究開発、製造、営業職まで

 食品安全学教室で、食の安全と信頼についてのテーマで卒業論文研究を行った学生の就職先は、検査・分析機関や衛生関係の会社だけでなく、様々な食品メーカーの研究開発職や製造職、卸売業や小売業の営業職まで幅広く、いろいろな分野で大学で学んだ知識を生かしています。

【2015、2016年度の主な就職先】
検査・分析職:一般財団法人茨城県薬剤師会検査センター
研究開発職:日本食研ホールディング(株)
技術営業職:イカリ消毒(株)
製造職:丸大食品(株)、洋菓子舗ウェスト
営業職:東都水産(株)、イトーヨーカ堂、(株)松屋フーズ
総合職:(株)中村屋、イオンリテール(株)、(株)関越物産

■関連リンク

  • 2017年4月22日(土)開催のサイエンスカフェで、吉田教授が講師を担当します!
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