教員からのレポート

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食品科学科1年次「食べ物の科学 入門」の「食べ物の安全性」演習を実施

大橋 雄二 准教授(食品衛生学教室)

 今年度から始まった1年生対象の講義「食べ物の科学 入門」は、これまでのレポートにあるように、「食べ物とおいしさ」「食べ物と健康」に加え、「食べ物の安全性」のテーマでも講義が行われました。今回は「食べ物の安全性」の講義について報告します。この講義では、”手洗いチェック”、”手指の細菌培養”、”環境中の微生物検査”、”細菌の顕微鏡観察”を二週にわたって行いました。
 手洗いチェックは、専用ローションを塗った後に手を洗い、ブラックライトを当てることで、手洗いがしっかり出来ているのかチェックする方法です(写真参照、白く光っているところがしっかり洗えていないところです)。手洗いが適当だと汚れが落ちないことを認識でき、洗い残しが起こりやすいところなども確認できたと思います。
 また手指の細菌検査は、手形の培地に手を押し当て、手指に付着している細菌を培養することで、その汚染状況をチェックする方法です。これにより自分の手にどんな種類の細菌がどれだけいるのかを認識できます。自分の手指の汚染状況を知った学生はその状況に驚き、もう素手で握ったおにぎりは食べられないとか、知らない方が良かったという意見を述べました。
 スタンプ法により環境中の細菌検査も行いました。これは食品の製造・加工、調理、販売などを行う事業所で実際に行われている簡易的な微生物検査法です。各班毎に5カ所ずつ検査しました。トイレ、スマートホン、ドアノブ、エレベーターのボタン、机の上、椅子の上などいろんなところを調べていました。最後に全班の結果を集計し、どこに菌が多いのか、何故菌が多くなるのか、などをグループに分かれて討論し、発表してもらいました。細菌が多いところ、多くなりやすい原因など考える良い機会になったと思います。
 顕微鏡観察では、食品製造に利用されるビフィズス菌、乳酸菌、ブルガリア菌、サーモフィラス菌、納豆菌、さらに大腸菌やブドウ球菌の形態を観察しました。光学顕微鏡の使い方を学ぶだけでなく、各細菌の特徴をヒントに、観察した細菌の名前を当ててもらいました。顕微鏡の取り扱いに慣れておらずピントを合わせるのに手間取ったり、細菌の特徴を捉えるのにも苦労したようです。
 これまで身の回りの衛生面をあまり意識してこなかったと思いますが、「食べ物の安全性」を考える上で衛生管理はとても重要なことです。この講義で行われた体験とグループ討論そしてその内容の発表は、食の衛生面や安全性を考える良いきっかけになったかと思います。「食べ物の科学 入門」を学習したことで、これからの専門授業を学ぶ意識を高められ、勉学に励むことを期待しています。

■「食べ物の科学 入門」シラバス概要

授業のねらい

食品科学科でこれから学ぶことがらについての基礎として、食べ物を題材にした科学的レポートの書き方、基礎実験知識等を学び、食品科学の基礎を身につける。

到達目標

食べ物の科学で学ぶ様々な分野の基礎をしっかり身につけて、今後の食品科学科の各講義、実験への準備をすること。また、個々人の将来の食品分野での目標を見極めること。

授業形態

演習(座学及び実験)

主な授業内容

  • ・食品流通の基礎および食品の基礎について学ぶ
  • ・レポートの書き方の基礎、図書館利用法について学ぶ
  • ・書いたレポートを添削してもらい、書き方を身につける
  • ・3班(A:食べ物と健康、B:食べ物とおいしさ、C:食べ物の安全性)に分かれて演習実施

■ オープンキャンパス(2018年度)

 手洗いチェックは、オープンキャンパスや体験講義(食品衛生学)などで毎年体験することができます。今年度も多数の高校生やその保護者達に体験してもらいました。→詳細はこちら

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