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シュウカツの友

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理工系&バイオ系 失敗しない大学院進学ガイド
―偏差値にだまされない大学院選び―

(日本評論社 2006年)
2009/09/10更新 024号
大学院に行く、というのが、べつだん特別な道に思えなくなってきた現在、やはりこういう本が出ていました。
自分はエイギョーとか事務とかむいていないから、研究職に就く!…というような、割と単純な動機から院に進もうと考えている方。
大学院に行けば、博士号が取れる。3年でドクターになって有利な就職をするんだ!…的な希望をバクゼンと持っている方。
就職が思うように行かなかったら、そんときゃ院に行くかなー、とか、ココロの奥底でチラッと思っている方。
ひ、本書を読んでおいていただきたい。損はしない。
院生の就職、院生の金策、院生のハラスメント事情、院生の結婚・出産、院生の留学と、さまざまな「院生事情」がかなり赤裸々に語られている。就職事情がキビしくなっている昨今、大学院進学を「就職の先延ばし」と考えると命取りになりかねない。年齢も、オカネも、能力も、深刻な問題になってしまってからでは待ったがきかないのだ。

第11章に書かれている一節が秀逸。
「本書は皆さんが自らの進路を切りひらくきっかけのひとつでしかなく、完結した万能進学ガイドだと思わないでほしい」
これは本についてある意味、真実を語っている。本というのは、そういうものなのだ。それを「どう読むか」なのだ。大学院や博士号も、あるいはそういう存在なのかもしれない。