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シュウカツの友

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「バーモントカレー」と「ポッキー」
-食品産業マーケティングの深層-

岸本裕一・青谷実知代(農林統計協会 2000年)
2009/11/05更新 031号
タイトルには二つの商品名が並んでいるが、内容を見るとドーンと展開されているのは「カレールウ」の方である。

本書は、食品産業におけるブランド形成と、その販売戦略について分析した図書である。よって、別に「カレールウ市場の裏側」といった内幕モノではないのだが、そういう意味合いでも充分、読ませる(商品名や、CMソングの歌手名などが、実名でバンバン登場する)。おお、そんなCMが確かにあった!と、ついつい読みながら思い出してしまうぞ。
「カレールウ市場」というのもいい。カレールウは「食べる人間」(主に家族)を想定した「作り手」によって買われるものであり、カレーの好みはトレンドや家族の年齢によって微妙に変化していくものだからだ。
(子供が小さいのに「大人の辛口」カレーはつくれないもんね)

ポッキーの他にも、随所でスーパードライや画王、午後の紅茶といったメジャー商品が取り上げられている。タイアップソングの重要性について分析してある章も面白い。
食品開発に限らず、メーカーに就職したいという方には参考になるように思う。
何より、ちょっと面白いしね。