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シュウカツの友

日本獣医生命科学大学 日本獣医生命科学大学
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人間関係づくりトレーニング

星野欣生 (金子書房 2003年)
2010/04/26更新 041号
ページを開いてみるまでどういう本かわからなかった。
目次を読むと「好き、嫌い(価値観とは)」「思い込み」「話す、きく」「感じる(感情表出のさまざまな形)」「トラブル(葛藤とのつきあい方)」などと並んでいる。
ひとつひとつ、読んでみた。タイトルに「トレーニング」とあるだけあって、途中で「“私は誰?”というシートを書いてみてください」や「次の物語を読み、登場人物について好感の持てる人物から順位づけをしてください」などといったページが挟まれている。それらを個人で、あるいはグループでやってみることで、それぞれのテーマについて考える、という形式である。
丁寧な文章で、言語化がうまい。読んでいくうちに、「言った」「言わない」のトラブルがなぜ起こるかや、意味もなく怒鳴られるような災難の意味が、少し掴めるようになっている。

大学生活にしても、シュウカツにしても、要は人間関係の構築なので、落ち込むことも多い。「空気を読まないと」「ついていかないと」と焦ってしまい、いったい何に落ち込んでいるのかすらわからなくなることもある。
そういうときに読む本ではないだろうか。

なお、講談社現代新書2006の『「空気」と「世間」』(鴻上尚史 著)もお薦めである。