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日本の雇用 ほんとうは何が問題なのか

大久保幸夫 (講談社現代新書 1997 2009年)
2010/06/18更新 044号
毎日のニュースを見たり聞いたりすると、やりきれない気分になることもあるかと思う。
とにかく、雇用といい、政府といい、世も末というか、どこにも安心はないというか、そういった風潮で語られることが多いのである。現実はひたすらに重い。
が、報道が決してすべて真実でないことを忘れてはいけない。ただニュースを鵜呑みにして、お先真ッ暗になってしまってはいけないのだ。きちんと筋道をたてて、正確なデータを傍らに落ち着いて見直すと、筋が通っていて理屈に合うこともあるのである。
本書はおそらく、派遣切りとか新卒氷河期とか、新聞に踊るそのテの大見出しについて理解する助けになると思う。少なくとも、なぜ今のような雇用形態に「なってきた」のかがわかる。
「ほんとうは何が問題なのか」というサブタイトルが表すように、得体の知れない不安でなくなれば、自分の働き方のリスクも見えやすくなるのではないだろうか。