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シュウカツの友

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博士号のとり方
学生と指導教官のための実践ハンドブック

エステル・M・フィリップス、デレック・S・ピュー (大樹舎 2010年)
2013/03/27更新 061号
著者をご覧になれば一目瞭然だが、本書は日本人による執筆ではない。元は英国の本である。そしてもちろん、英国の大学院を想定して書かれている。
が、すでに七か国語に訳され、版も重ねており、本書がいかに世界で受け入れられているかがおわかりだろう。本書を日本で翻訳刊行するに当たって、企画をおこしたのは大学院教育向上実践会。一読すれば、日本の大学院でも充分に通用する内容である。それに、海外で博士号を取ろうという方にも参考になるだろう。
何より特徴的なのは、これが教員向けにも書かれているということだ。海外からの学生の受け入れ方、女子学生を指導する際の留意点などだけでなく、さまざまなマイノリティー身分やそれらへの差別の現状、対処の仕方など学生・教員ともに、大いに得るところがあると思われる。
…と、真面目に書きましたが、本書はフツウに読んでもかなり興味深い本だと思う。大学院というある意味で特殊な社会、あまり接することのできない社会を、リアルに覗き見る絶好の一冊じゃないだろうか。大きく変貌しつつある面もあって、いや、なかなか面白く読んでしまいました。