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仕事と就活の教養講座―生きのびるための働き方

細谷実 編著:中西新太郎・小園弥生 著 ( 白澤社 2016年)
2017/04/28更新 074号
「とにかく正社員」「なるべく安定した企業」「ブラック企業はナシ」そういう<常識>さえ知っていれば例えば「ワーキングプア」にならずに済む…。
と、思いたいのが人情だと思う。
だが実際はそんなに単純なことではないようで、例えば本書の第14講「生活と仕事を手に入れるために」にはこうあるのだ。

大学生に「二〇代後半で転職するとしたらどの企業にするか」をリクルート社の
『タウンワーク』を情報源として使って選ばせたら、仕事がきつい会社、離職率が
高い会社など多数のブラック企業を学生たちが選んだそうです。(本文より)

ブラック企業を見分けるのは想像以上に難しいのである。彼らは「騙しのプロ」なのだ。
本書は、そういった落とし穴が満載の、仕事探しや労働という重要課題について<教養>を獲得する本として企画された。そしてその<教養>を「自分の頭でいろいろな知識や考え方を比較・吟味して、おかしな常識を鵜呑みにしないようになる能力」のことだと定義している。
紹介されるさまざまな働き方や、制度や判例やニュースなどは、どれも心に残る。けっこう、ショッキングだから。必要といえば、これほど必要な<教養>はない。
読んで損をした、ということは絶対無いのではないでしょうか。