図書館MENU

はたらく人びと

日本獣医生命科学大学 日本獣医生命科学大学
image

小さな命を救いたい
―アメリカに渡った動物のお医者さん―

西山ゆう子 (エフエー出版 2001年)
2009/6/24更新 007号
『動物病院で獣医師として生きる』でも紹介されていた西山ゆう子氏の最初の著書である。
読んでビックリ。なんて、てらいのない文章と、内容なんだ。
のちにご紹介する『ハーズマン』にしてもそうなのだが、人生さまざま紆余曲折がありながら、自らの手で切り開いてきた人の言葉には独特の素直さがある。正直なのだ。本書にも、著者の個人的な挫折や苦難が包み隠すことなく書かれている。何というか、言葉の迫力が違う。
なぜ、アメリカで獣医師になったか。アメリカの獣医療とはどんななのか、アメリカ社会のよい面と悪い面とは何なのか。
と同時に、日本の獣医療の問題点についてもしっかりと言及されていて、痛みと共に伝わってくる。本書を読んで心を動かされない獣医学生はいないだろう。
出版されてすでに10年余。日本の現状も変わりつつある。これからである。千部の自費出版からスタートして一万部のベストセラーになった本書、内容の新しさを売りにしたものではないので色あせることはない。去勢・避妊手術の重要さと必要性について詳細に書かれているのが特色である。
ちなみに、表紙はなんと、葉祥明氏が手がけていた。