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はたらく人びと

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ほぼ日の就職論 はたらきたい。

(株式会社 東京糸井重里事務所 2008年)
2010/04/07更新 034号
人気サイト『ほぼ日刊イトイ新聞』の就職論である。サイトで毎日読んでおられた方も多いのではないだろうか。いつかはこの本を入れたいと思っていた。
「はじめに」にあるが、就活対策への疑問を書いたコラムから、就職論が発展していったという。
そう、就活していると、誰でも一度は思うだろう。
「こんなこと、なんの意味があるんだろうか」…たとえば、お辞儀の仕方とかね。
内定を取るためだ、意味がなくてもやるのだ、と頑張る。が、気持ちに矛盾がそもそもあるから、先が見えにくい。いきおい、「今の面接は」というマニュアル本に頼ることになる。納得しているわけじゃないから、内定が取れないと焦る。自分だけ知らない何かがあるのではないか?という気分に追い込まれる。
就活には、マニュアルだけでなく、こういう「焦り」でパニックになりそうになったとき読むものが必要だ。

で、本書である。元・リクルートの河野晴樹氏、漫画家のしりあがり寿氏やみうらじゅん氏を始め、大学教授、ミュージシャンや芸人などさまざまな「はたらく人々」が登場し「はたらくこと」「はたらいてきたこと」について語る。トリの矢沢永吉氏は圧巻。「俺が言ってることが誰にとっても正しいかというと、よくわからない」と言いながらも言葉を探していくスタイルは、吉本隆明氏にも似たものがあって、自分の経験と思考をきちんと持ったひと独特の落ち着きがある。 欄外に、「ほぼ日」過去十年のアーカイブから、関連しそうな「百の言葉」を選び、掲載している。これだけを拾って読んでいってもいいと思う。なぜか、落ち着きますよ。
シュウカツに苦しんだのは、あなただけではないし、悩んでいるのも、あなただけではない。就職してからだって、ずーっと悩むんだから。