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国際協力を仕事として

西崎真理子 他(彌生書房 1995年)
2010/04/26更新 036号
十年以上前に出版された一冊であるが、内容は現在でも参考になり、当コーナーに並べておいたほうがよいのではないかと思い、ピックアップした。
12人の女性が登場する。全員が、ニューヨーク、ニカラグア、バングラデシュ、ブラジルなどで活躍する国際人。お勤め先は、国連やユニセフなどの国際機関である。
それぞれ「なぜ国際協力の仕事についたか」、そして、結婚や子育ての経過などについて語る。それぞれにユニークであり、本人の個性、周囲の状況、専門の分野などが(当たり前だが)異なるので、次々に読んでも飽きない。
ぶっとぶようなエピソードもけっこうある。
そして、がむしゃらに歩んできた道を振り返りながら「今とは状況が違うので参考にならないかもしれないけれど」と言ったりしているが、これだけバラエティに富んだエッセイをずらりと並べただけで、その迫力はすごい。
つくづく、人生は十人十色だ。
後悔のないように生きたい、と思うのは誰しも同じで、早くに目標を定められたらそれに越したことはない。が、なかなか思ったようには進まないもので、それもわかっていたほうがいい。本書はそれにも適している。序文は緒方貞子氏が筆をとっているが、彼女自身、こう書いているのだった。
「国際公務員になること、まして国連難民高等弁務官になることなど、私は夢にも考えたことはなかった」