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日本獣医生命科学大学 日本獣医生命科学大学
パンダ飼育係

パンダ飼育係

阿部展子 (角川書店 2013年)
2014/07/18更新 067号
日本人は、ホントウにパンダが好きだけど、中国にはいっぱいいるから、そんなにパンダ好きは多くないよ。
そう言われた阿部さんだが、とにかく好きなものは好きなんだ。その好きなものを仕事にできたらどんなにいいだろう…そう思っている矢先に見たテレビのドキュメンタリーが、四川のパンダ保護研究センターを紹介していた。飼育係は全員中国人だという。
じゃぁ日本人の私はどうやったらそこに行けるだろう?
そこから一念発起、大学で中国語を勉強し、卒業後、四川農業大学に入り、みごと飼育員になった彼女。いやぁ、その情熱の熱さ! まさしく青春、である。彼女を取り巻く同級生や飼育員についても日本人、中国人ともに生き生きと描かれ、たくさんあるパンダ写真とともに、心あたたまる一冊になっている。もちろん、飼育係としての日常も紹介。2012年のシンシン出産まで、一気に読めます。
印象的だったのは四川大地震。「シンシンとリーリーは、中国でも日本でも大地震を体験しているのです」のくだりに息をのんだ。パンダ保護についての真摯な思いまで語る彼女は卒論でもちゃんとそのことを書いている。首尾一貫したひとだと思う。まさに一筋。