ニュース
前へ戻る

「多摩動物公園での獣医臨床実習で学んだ事」 5年 鈴木 志奈子

多摩動物公園 今回、多摩動物公園内にある動物病院で東京農工大の学生と一緒に獣医臨床実習を二週間行いました。実習前は、扱う動物が野生動物であるため、自分が現場で行える事は少ないかもしれないが、貴重な機会なので動物公園で働く獣医師の姿をしっかり見て、一つでも多くの事を学びたいと思っていました。
しかし、いざ実習が始まってみると、先生方は私達をただ見て教わる受身の実習生ではなく、実際様々なことを自分達で行い、時には私の質問に対してすぐに答えを教えず自分で答えが出るように指導してくださいました。実習の後半では、骨折で入院しているワラルーの治療を捕獲から麻酔での不動化、治療、覚醒まで全ての工程を私達にまかせて、やらせてもらいました。こうしたご指導のおかげで、知識や技術だけではなく、ただ教わるだけでは知ることができなかった、多くの事を学び取る事ができました。
動物公園で飼育されている動物の多くは、普段私たちが学んでいる犬や猫と異なり、保定して体の隅々までチェックし、様々な検査を何度も行う事ができません。そのため、その個体の歩き方や行動、様子からわかる些細な事や、一つの血液検査データが診断にとても重要になってきます。実習中、双眼鏡を持ち1時間近くツルの肢を観察したり、飼育場所を何周も回りキリンの頚部裂傷の原因を探ったりもしました。また、動物公園には様々な種類、大きさの動物が飼育されているため、種ごとの機材を揃えることができず、時には機材を自分たちで作らなければいけません。例えば、スナネズミの麻酔用マスクはシリンジを切った物、チーターを不動化させた直後に用いる簡易麻酔用マスクはペットボトルを切り開いた物でした。
このように動物公園で働く獣医師は鋭い観察力、柔軟な思考力など知識や技術以外にも多くの力が必要とされることを実感しました。今後、実習で学んだことを無駄にせず、これから自分なりに勉強し知識を膨らませ、獣医師に必要な様々な力を養っていきたいと思います。
充実した二週間の実習期間を過ごすことができたのは、多摩動物公園で働く先生方をはじめ、飼育員、職員の方々のおかげです。ありがとうございました。