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日本獣医生命科学大学 FD委員会主催講演会
平成25年度第1回FD講演会「学生のメンタルケアにおける教員の対処方法について」を開催

平成24年度第1回FD委員会講演会  平成25年度の第1回講演会が、去る6月14日(金)の午後4時から6時まで、本学B棟413室で開催された。多忙な時期にも関わらず、池本学長先生を始め教職員81名が参加し、これまでで最も多い参加人数となった。今回は、本学の学生カウンセリングでお世話になっている岩井昌也先生に「学生のメンタルケアにおける教員の対処方法について」という演題で講演をしていただいた。
大学での学生のメンタルケアは、本学だけでなく、全国の大学における重要な課題となっている。しかし、教員は「どのように学生と接すべきか」をわからないのが現状である。そこで、岩井先生には、「メンタルケアをしなければならない学生の兆候」、「メンタルケアすべき学生への対処方法」など教員に身近な問題を中心にお話しをしていただいた。
まず、本学において、学生相談として持ち込まれる問題が紹介された。「授業やゼミに出てこない」、「他の学生や教員とコミュニケーションが取れない」、「情緒不安定」などが挙げられた。これらの問題が顕在化するきっかけとして、担任、教職員、他の学生、家族からの報告や連絡があるが、本来は、学生本人からの連絡がベストであると説明された。不登校の問題では、統合失調症、うつ、不安障害、摂食障害、人格障害、発達障害(アスペルガー症候群)といった精神障害を患っている可能性があるので、早めに専門家が対応する必要がある。特に、学生が休みがちになった時には、「調子が悪いか?」や「何か勉強に障害があるか?」などの問いかけを通じて、定期的に教員や家族が学生の状態を確認することが大切である。また、学生本人は、「病識を欠如している」、「病気を認めることへの抵抗」、「周囲の評価を恐れる」、「勉強や研究への遅れの不安」から専門家に相談し難い場合が多いので、まわりが早めに気づくことが求められる。
このような学生に対して専門家への受診を勧める方法の定石はないが、まずは、内科への受診、学生相談室の利用を勧めると同時に、家族と協力して、受診を勧める事が大事である。その際に、「精神障害が珍しい病気ではないことを学生に理解してもらうこと」や「専門家の相談を受けることが休学や留年につながるという学生の不安感を取り除きながら、専門家への受診を勧める事」がスムーズに進めるコツである。ただし、「自殺企図」「飲酒・薬物の過剰摂取」、「短期間での急激な体重減少」、「自傷他害の恐れ」などは、命の危険性がある危機的状況なので、危機介入が必要となる。
最後に、発達障害(アスペルガー症候群)を有する学生への対処方法が紹介された。このような学生には、指示の明確化、1回に1つの課題提示、ゆっくり低い声で話す、ほめる、対人関係を教えるなどの対処法が解説された。
講演に引き続き行われたワークショップでは、学生と接する際に役立つ技法として、「傾聴」、「共感的理解を示す話し方」、「アサーションを用いた考え方・関わり方」に関する実践を行った。学生との話し方、学生への対応に関して、プリントに従い、隣の人と対話をするワークショップが実施され、先生方は、隣の先生と真剣に会話されていた。普段、学生と話すときに、是非役立ててもらいたいと思った。

講演後には、本学心理学教室の柿沼教授に参加していただき、パネルディスカッション形式で、教員との質疑を行った。教員からは、多くの質問があり、2時間の有意義な時間を過ごすことができた。参加してくださった教員によるアンケート結果でも、多くの先生が、「満足した」、「今後の教育活動に役に立つ」と応えてくださっていた。これからも、FDに関わる様々なテーマを取り上げ、講演会を企画してゆきますので、ご参加をよろしくお願いいたします。また、FD活動へのご協力もよろしくお願いいたします。(FD委員会委員長  西村敏英)