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ハイテク・リサーチ・センター整備事業

「ゲノムモニタリングによる肉用牛の生産病予防システムの開発」が、平成16年度文部科学省私立大学学術研究高度化推進事業のハイテク・リサーチ・センター整備事業の拠点として選定された。
本研究プロジェクトは、草をエネルギー源として、ミルクや肉などの良質の蛋白質を供給する貴重な能力を有する牛のエネルギー代謝機構をゲノムレベルで解析し、牛における生産病の発症を予防するシステムを構築することを目的とする研究である。
さらに、動物の健康維持機構を明らかにすることにより、健康な動物からの安全な肉製品を供給するシステムの構築も目指す。本研究の進展により、本学が「世界の肉用牛のエネルギー代謝の研究拠点」ともなりうる。

「ゲノムモニタリングによる肉用牛の生産病予防システムの開発」が、平成16年度文部科学省私立大学学術研究高度化推進事業のハイテク・リサーチ・センター整備事業の拠点に選定された(平成16年度から5年間)。この事業は、最先端の研究開発プロジェクトを実施する研究組織を選定し、研究開発に必要な研究施設、研究装置・設備の整備に対し、重点的かつ総合的支援を行うものである。

草をエネルギー源として、ミルクや肉など良質な蛋白質を合成し、食糧として供給する貴重な能力を有する牛のエネルギー代謝メカニズムをゲノムレベルで解析し、生産病の予防システムを構築するのが本研究の目的である。
①理想的な飼料給与法の開発、②微生物フローラのコントロール・発酵産物の解析、③肉用牛のエネルギー代謝特性の解明という3つの側面から研究を進め、動物の健康維持のメカニズムや肉の成分分析から、「おいしさ」を科学的に解析し、無用な添加物の使用を減らし、健康な動物から安全な肉製品を供給するシステムの構築も目指す。

「富士アニマルファーム」と昨年6月に完成した「動物医療センター」の2つの研究施設を連結し研究の進展を図る。
これまでに整備してきた機器(質量分析器、キャピラリ型DNAシーケンサ、共焦点レーザー顕微鏡など)と本プロジェクトに対する助成により整備する予定の機器(ガスマススペクトロメトリー、ケルダール自動分析装置、マルチプレートリーダー、走査型電子顕微鏡、マルチ電気泳動システム)を併せると、ゲノム~プロテオーム解析に必要な機器の整備はほぼ完了する。
これらの装置の一部はすでに稼動しており、有用な研究成果を生み出している。

本プロジェクトでは、3年目(2007年3月)までに、これまでに蓄積された多数の肉用牛の血液サンプルの解析によるデータベースの構築、肉用牛のエネルギー代謝特性の解析、ルーメンプロトゾアとバクテリア共生関係の解析などを通じて牛の健康の「ゲノムマーカー」を選抜する計画である。
これらのマーカーを使って4、5年目には、高能力牛の選抜・肥育試験を実施するいっぽう、国内および諸外国の大学、研究機関との共同研究により肉用牛の血液サンプルのモニタリングを実施し、種々の生産病診断法の国際基準を策定し、それを基に予防システムの開発を目指す戦略である。

本研究から生み出される成果は、日本の牛だけでなく食肉産業が主要産業である諸外国の牛への応用も可能であり、国際的にもその重要性は極めて高い。
さらに、動物におけるエネルギー代謝機構がゲノムレベルで明らかにされることにより、牛以外の動物への研究の展開も可能で、畜産学~獣医学~食品科学を包含する新しい学問分野の創出につながる意義ある研究である。
都会にある本学が、世界の「肉用牛のエネルギー代謝研究の拠点」ともなりうるユニークな発想に基づく研究プロジェクトである。