Web動物図鑑

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2012/9/24

2012年9月24日

2年次動物科学科の農場実習には今年も高大連携事業の相手先である長野県南安曇野農業高等学校から4人の生徒が参加した。大学生に負けじと各実習に頑張って取り組む姿は実に初々しくて可愛い。しっかりと高校で勉強している様子が伺われ何か協力してやりたいという衝動に駆られた。つい「何か欲しい動物はあるか」と問うてみると、引率の西村先生から緬羊が欲しいことを打ち明けられた。過日、繁殖可能なコリデール種の雄・雌2頭を無償譲渡した。選ばれたのはこの写真の中の1頭である。かっては可愛いばかりの存在であったが、成長し大人になると目的があてがわれ必要とされて価値あるものとなっていく。きっと生徒達にも可愛がられ、高大連携事業の成果として来春にはカワイイ子羊が誕生し皆を喜ばせることになるだろう。

2012/7/1

2012年7月1日

昨年、放射能汚染の風評被害でご苦労をされていた東北地方の牧場からガーンジィー種の老牛2頭を購入した。富士アニマルファームでは、この牛達の最後の時間を価値あるものとするために、展示牛として世界5大乳用種の一角であるこの品種の特徴を余すところなく説明した。また、実習牛として5年次獣医学科の臨床実習で第四胃変位に見立てて手術を施した。よく痛みに耐えて頑張ってくれたと思う。傷口も塞がり、抜糸も終え、異常も全く見当らず、いよいよ来週は屠場に運ばれて食肉となる。実は、このガーンジィー種からは10ヶ月前に受精卵の回収を行いホルスタイン種に移植していた。ナント先週、目の大きな可愛い子が生まれた。母の価値を継承するガーンジィー種の雌であった。

2012/6/1

2012年6月1日

今年の5年次獣医学科の産業動物臨床実習には10頭の牛たちを富士アニマルファームから提供した。乳の生産が経済的にペイしなくなったら学生のために利用することは織り込み済みであるが、いつも牛たちには申し訳ない気持で一杯になる。それでも飼養管理してきた私たちの心がなんとか平穏状態でいられるのは、獣医師の卵達が真摯に真剣に実習に取り組んでいるからである。このような緊張感の溢れる訓練を受けた彼らは必ず将来、痛みに震えている動物をその苦痛から解放し、死に直面している生命を救うことになるだろう。今回は内科学実習、繁殖学実習、そしてメインの外科学実習がそれぞれ内容盛りだくさんで行われたが、10頭の牛たちはよく苦痛に耐えて頑張ってくれた。利用する側の我々にとっては誠に価値ある動物と言う他ない。心から感謝したい。

2012/5/28

2012年5月28日

今年は寒くて馬の仕上げが間に合うかとやきもきしたが、5月に入ると春の生命力は勢いを増し、冬毛で覆われていたアイダホ号の身体もいよいよ活気を取り戻して例年と変わらぬ様相になった。1年次の獣医保健看護学科の実習で学生達を乗せて頑張った後に、東京日野市で催された「新撰組まつり」に参加した。此処の出身という近藤勇を背にして賑わう日曜日の繁華街を練り歩き、沿道の皆さんには大変喜んでもらった。無事務めを果たし牧場に帰ってきたが、28歳の高齢馬には連チャンはさすがに疲れたようだ。「まつり」の思い出の写真には、苦み走った土方歳三に負けじと馬術部西田主将を押しのけて凛々しい男前の姿で写っている。これまで10年近くにわたって参加させてもらった「新撰組まつり」であるが、今年をもって引退となる。日野市の皆さん、長い間お世話になりました。

2012/5/15

2012年5月15日

外は春本番、草地の牧草も勢いを増して日々成長しているのがわかる。今年に予定されていたマンクスロフタンの分娩は全て終了し、誕生した6頭の子羊達は1頭も欠けることなく順調に生育を続けている。雄2頭・雌4頭であった。他の子が近づくと情け容赦なく角で追い払う母親達ではあるが我が子の面倒見だけは甲斐甲斐しい。そろそろ子羊の大きさにバラツキが出始めたので母親と分けて管理しなければならない時期にきている。子が追従型の行動をとる緬羊は柵を隔てて子は母を呼び母親は子を探して鳴き騒ぐ。しかし我々を共感させる親子の微笑ましい情愛もほんの一時のこと、母親達は草地に放すと牧草を頬張ることだけに関心を移し子羊のことなど見向きもしなくなる。そうやって動物の母親は自然に煽られながら次の分娩のための体力回復に向けて始動をするのである。

2012/4/6

2012年4月6日

里では暖かくなり桜の花がボチボチと咲き始めた。この時期になると冬毛に覆われた馬の手入れを始める。ブラシで冬毛を擦ってバサッバサッと気持ちよく抜けるようだと馬の健康状態は良好と判断し、今年実施予定の実習等に向けて準備を始める。アイダホ号は既に28歳、年末には冬を越せないような情けない顔つきをしていたが春になって少しずつ元気を取り戻している。今年も5月に実施される看護学科の実習では新入生を跨らせ、また日野市の新撰組祭りにお声掛けを頂いたので誰か芸能人を背にして写真に納まることにもなるのだろう。富士アニマルファームの桜の蕾は未だ固いままであるが、春の命に与える不思議さがアイダホ号にしっかりと勤めを果たせるよう再生してくれることを期待している。

2012/3/15

2012年3月15日

春が近づき仕事帰りの道は随分と明るくなった。夢は暗くなってから見るものだが、富士アニマルファームを出てカーブを大きく曲がると私の好きな夢の世界は広がっていた。霧の中、十数頭の鹿の群れが伸び始めたばかりの牧草を食べている。いつ見ても自然に生きる動物達の緊張感溢れる美しさは堪らない。気付かれないようにコソッと近づいて写真に納めようとしたが私の動きを察してか一斉に逃げ出してしまった。後日、職員が牧柵の見回り中に立派に枝分かれした鹿角を拾ってきたが、あの群れのものだろうか。落とし物は夢の世界から春を祝うプレゼントである。来年度の幸福を願って玄関先に飾った。

2012/3/1

2012年3月1日

緬羊の誕生、今年の第二号はサフォーク種の雄であった。生まれてまだ3日しかたたないのに狭い柵の中で元気に飛び跳ね母親を困らせている。この母親は去年の秋、北里大学さんの厚意で譲渡して頂いた緬羊である。なんとか無事に産まれてくれて一安心、少し義理は果たせたかなと思う。一方、富士アニマルファームから貰われていったマンクスロフタンは無事に子供を産むことが出来たろうかと気にかかる。3月になったとはいえ、まだまだ寒い東北青森の春である。もう少しお母さんに頑張ってもらってお腹の中にいた方が暖かくていいかもしれない。やっぱり生まれて見る最初の景色は雪野原より青草萌える草地がいいよね。

2012/2/22

2012年2月22日

この富士アニマルファームにも近くまで春が来ていることは季節繁殖動物である緬羊の分娩が教えてくれる。馬でも羊でも季節繁殖の動物は春の温かさに向けて在胎期間の調節を若干しているようだが、なるほど今朝は久々に寒さが緩むと、それを知ってか感じてか今年第一号のマンクスロフタン種の雄が生まれた。この子羊の角がどのように逞しい形になって学生達を驚かすかが今から楽しみである。今年は本格的な春の訪れまでの三寒四温の繰り返しの中で何頭の子羊の誕生が我々を喜ばせてくれるのだろうか。受胎したものは全てが無事に生まれ、母親の乳を元気にむさぼりつくことを祈りたいものだ。

2012/2/13

2012年2月13日

富士アニマルファームには地元富士ヶ嶺の保育園児や小学校生徒がよく見学にやってくる。甲高い声が道の上から近づいてくると私も気がそぞろになって事務所から飛び出し子供達の輪の中に入る。家ではちびっ子ギャングで親を悩ませているのだろうが、先生の前では可愛い天使と化し、注意をよく聞き心から尊敬しているのがわかる。これまで見学にやってきた子供達に「動物とのふれあい」をさせることは地域貢献という使命の1つになっていたが、残念ながらこういったも活動も難しくなるかもしれない。昨年の10月1日に改正された「家畜の飼養衛生管理基準」を勉強しているが、なかなか厳しい掟である。

2012/2/1

2012年2月1日

富士山の北側に位置するアニマルファームは寒い。雪が一度降って積もるとなかなか解けようとしない。次に降るまでの間、雪の表面は動物たちの足跡で賑わうことになる。通り過ぎただけの足跡、徘徊していった足跡、仲間とじゃれ合った足跡など様々である。また動物の種類によって足跡も色々あって興味深い。人間の知らない真暗闇の時間に繰り広げられる野生動物だけの世界は憧れであり、私だけが仲間に加えてもらいたいと思う夢の世界である。時に夢の一部が剥がれて白日の下、動物たちの方から我々の前に姿を見せるときがある。緊張感の溢れる姿は実に美しい。「写真説明」天然記念物 ニホンカモシカ 

2012/1

2012年1月1日

新年あけましておめでとうございます。
今年が良い年となりますように心からお祈り申し上げます。

良い年の幕開けは天候にも恵まれ美しい日の出から始まりました。
富士アニマルファームで繋留されている動物たちも皆元気です。
正月早々に働いてくれている職員の顔は穏やか体の動きも良好です。
この平和が1年間続きますように。

2011/12/9

2011年12月9日

今日12月9日の天気予報は「ところにより雪」というものだった。富士アニマルファームでは朝から雪がちらつき、瞬く間に積もり始めた。この時期になるといつも「そうだ、ここはところなのだ」と確認する。私が寒いと動物も寒いだろうとついつい思ってしまうがさほどでもない様子。もう少し放牧をしてやりたいが、馬の背に積もった雪が解け出し身体が濡れて湯気が出てくるとさすがに私の方が耐えきれなくなって厩舎に入れた。

2011/12/1

2011年12月1日

先月の「トピックス」で書いたように北里大学獣医学部フィールド・サイエンスセンターからの申し入れを受け、緬羊のマンクスロフタン雄・雌とサフォーク雄・雌・雌の等価交換を行った。北里大学さんには青森県十和田より車輌を仕立て十数時間かけて運んで頂き大変申し訳なく思っている。富士アニマルファームに無事到着した3頭のサフォーク種はそれぞれが立派で雌は既に妊娠鑑定を受けている。来春の分娩が楽しみである。

2011/11

2011年11月1日

短日繁殖動物である羊は日照時間が短くなると発情する。雌はフェロモンをまき散しながら排尿姿勢をとり雄を誘う。雄は発情が強まっていく雌の後ろ姿をしつこく追い廻しフレーメンを繰り返す。深まっていく秋は恋の季節である。やがて雌は4本角の雄の乗駕を許容した。この妊娠の可能性の高い雌1頭と若雄1頭が乞われて北里大学へ旅立っていく。