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第7号:「希少家畜の存続」

吉村 格(准教授/牧場長補佐)

2007/5/16 更新
 それぞれの地域で気候風土に育まれ成立した地方特定品種。
これまで土地資源の有効利用を通じて、安全で健康な牛肉を低コストで生産し、中山間地域農業の基幹的作目として重要な役割を果たしてきた。しかし現在の経済合理主義のもとでは、より生産性の高い品種だけが、より効率的な飼い方で育てられるようになり、かつての地方特定品種は希少家畜となってしまっている。めまぐるしく移り変わる現在において、直接的な貢献度は低いとしても、飼ってその命を繋ぐことによって、将来への貴重な情報を提供してくれるかもしれないと思うのは、我々動物を愛する者のひいき目だろうか。
■無角和種:
大正9年、山口県萩市にアバーディンアンガス種雄牛「小雀」を導入し、在来種の雌牛に交配したことに始まる。「防長無角種」を経て、昭和15年には「無角和種」は固定品種として認定された。角はなく、体型は肉用種として好ましい腿の充実した豊円なタイプである。繁殖能力、早熟性、粗飼料利用性に優れており、脂肪交雑が少ないヘルシーな赤身肉を生産する。現在では山口県を中心に約200頭余りが飼育されているに過ぎない。