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第21号:大銀杏に見守られた秋

吉村 格(准教授/牧場長補佐)

2008/2/14 更新
 過日、本学(武蔵境)で行われた乗馬会に、富士アニマルファームからも動物を搬入して手伝わせて貰った。
 一般的には、学生時代は実社会に出る前の最後の怠惰なモラトリアム期間ということが定番であるはずなのに、いつものことながら多くのボランティア学生の参加には驚かされる。学生達は先輩達から引き継いだこの乗馬会を成功させるために、話し合いを重ね、計画し、調整しながら準備を進めたに違いない。当日は天候も味方し万全の体制でハンディーを背負った人達を出迎え、仲間達、そして大好きな動物達と満足感に浸りながら楽しい時間を無事に過ごすことができた。
 学生時代はモラトリアム期間なのではなく、大人になることを受け継ぐための大切な過渡期であると考える学生にとっては、地域貢献という大学の役割の一端を担わせて貰えることは嬉しいことであると思う。校歌に「一隅を照らす」とあるが、将に現在の自分に出来ることを社会に還元するという行為は教育の賜である。
 我々大人は、大人をつくって大人であることを引き継がせながら次の世代を作っていかなければならないが、本学では「引き継ぐ」「受け継ぐ」という仕組み、つまり教育が機能していることを心強く思う。さらに、自分の立ち位置さえわからない若者達が「人のために働く」時に許される、肥大化した自分でも矮小化された自分でもない等身大の自分に出会えるチャンスはとても大切であろう。
 これらの意義を感じながら結果として、この乗馬会を発起した鈴木勝君と「愛馬会」の仲間達が目的とした『愛する馬達が人様の役に立ち、可愛がられて1日でも生き長らえることが出来た』というのであれば、この大銀杏に見守られた秋の1日は実に素晴らしい貴重な1日であったと言う他ない。