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第55号:口蹄疫、富士アニマルファームの取り組み

水谷 尚(獣医学科講師)

2010/5/19 更新
対策
この春より、牧場の診療を担当するようになった水谷です。産業動物の臨床の世界に出るのは実に10年ぶりくらいです。すっかり大動物獣医の感覚が失われていたこと、使用している薬や治療法が様変わりしたこと、そして何より法制度が大きく変わっていることなど、机上では勉強してきたつもりでも身に持った感性としては得ていなかったことに驚愕しながらも、日々、努力している次第です。
さて、牧場担当になった早々に、九州宮崎から口蹄疫に関する知らせが届き、牧場スタッフ一同も驚愕している次第です。
宮崎県を襲った口蹄疫は猛威をふるいわが国の畜産史上、類を見ないほどの大きな被害をもたらしています。口蹄疫はその伝播の早さから、防疫に関しては国を挙げての取り組みが必要です。まずは国内に持ち込まない、持ち込ませない、今回のように不幸にも国内に入ってしまった場合は、地域や個々の農場が、持ち込まない・持ち込ませないを徹底しなくてはいけません。
そこで、我々の富士アニマルファームでも、これまでより少しだけ防疫対策を強化しました。
まず、踏み込み消毒槽利用の徹底です。現在は塩素系の殺菌剤が入っています。これらは各畜舎入り口、セミナーハウス出口に設置しています。作業中は適宜、消毒槽に入り、消毒を行い、特に他の畜舎に移動した際には、必ず消毒槽に入るようにしました。来場者に対する防疫対策として、新堆肥舎前に消石灰をまき、消毒帯を設置しました。牧場に入る際は、消石灰帯をゆっくり通過してから入って下さい(決して迂回しないように!)。また帰る際も消毒帯をゆっくり通過してください。特に家畜運搬車や他の農家に出入りする機会の多い車で来場される際には、噴霧消毒をお願いすることもありますので、その際にはご協力お願いします。
口蹄疫をはじめとする様々な病原体は外来者の作業着や長靴を介して持ち込まれることがあります。ですので、基本的には見学等で一時的に入場される方には牧場備え付けの長靴や作業着を利用していただくことにします。しかし、実習や実験、あるいは長時間の作業を行う場合など、備え付け備品では不便があると思いますので、この場合は持ち込み品を使っていただくことになります。この際、必ず洗濯または洗浄したものを持ち込んでいただくことにします。更に長靴に関しては一度消毒槽で消毒してから利用していただくこととしました。このことは特に学生さんや教員の方々にとって、不便を強いることになるかもしれませんが、牧場を守る、強いては大学を守るためと思って協力していただけることを切に願います。