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牧場だより「継・いのち」

日本獣医生命科学大学 日本獣医生命科学大学

第84号:「最後はユキチャン」

吉村 格(准教授/副牧場長)

2011/10/19 更新

ユキチャン

研修の様子

 第40回関東甲信越地域大学附属農場協議会の技術研修会が去る10月13-14日の両日、本学の富士アニマルファームで行われた。数年前に当番校と決まってからは、窓口の私がその重責に耐えられるだろうか、力量不足の私を場員が支えられるだろうか、と不安を抱えながらの日々を過ごしてきた。できることならこの研修会が中止になってくれたらと願わないでもなかったが、同じ職種の人達に我々の仕事ぶりを見てもらいたいという希望もあった。
 参加したのは、各大学の生産現場で地道に努力を積み上げておられる教員・技術員の方々15名である。一泊二日と短い研修期間であるので目一杯の行事と内容を盛り込んだ。一日目のメインのテーマは「肉のおいしさの探求」という我が大学の十八番で、食品科学科の西村先生、動物科学科の撫先生に知恵熱が出るほどのおもしろい講義と最先端機器を使っての実演もして頂いた。懇親会では「肉のおいしさの探求」は古典的な舌先で続けられた。
 二日目は、富士アニマルファームの使命について私が講義した後に、いつも実習を担当している長田講師が搾乳ついて、寺岡職員が糞尿処理について、そして栗田職員が緬羊について現場で話した。時間がとれずに慌ただしい説明となってしまったが、最後に盛り上げてくれたのはやっぱりユキチャンだった。何度見てもヒツジがお手をする仕草は可愛いものだ。次の指示を待って草食動物がアイコンタクトをとろうとする姿を見るとシャッターを押さずにはいられない。
 さて、参加者の帰り支度の手荷物に混ぜてもらったのは、地元山梨のワイナリーから取り寄せた美味しいワイン、本学「乳肉利用学教室」が日本人の味覚に合うようにと知恵を絞ったゴーダーチーズ、そして「食料自然共生経済学教室」の学生達が長野県飯島町で汗を流して育てたというお米。小さな大学の出先施設で働く我々であるが予定していた講義・懇親会・実習と精一杯に力を出し切って終わることが出来た。これから来年度の当番校である東京農工大学さんの眠れぬ夜が続くかと思うと、少し愉快で反面やりすぎて申し訳ない気分にもなっている。この研修会を実施するにあたり、本学事務部の皆さんには企画の段階から全面的に協力頂いた。また昨年の当番校であった東京農業大学の斉藤美佳さんには大変なご心配を頂き細部にわたってまでご指導頂いた。感謝を申し上げたい。