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牧場だより「継・いのち」

日本獣医生命科学大学 日本獣医生命科学大学

第101号:わが一年を振り返り

長田 雅宏(講師/富士アニマルファーム)

2014/02/04 更新
第12回中部日本ホルスタイン共進会
優秀賞に選ばれた牛と共に
 年度末を向かえ、牧場教員としてのこの一年間を振り返ってみました。  本年度より静岡県共同育成場指定管理者評価委員に拝命され、これを契機に酪農経営を支える公共育成牧場について研究を始めました。酪農家へ出掛けては実際にどのようにして後継牛を確保しているのか、生産費はいくらなのか、その牛は稼いでいるのか、来る日も来る日も調査をしました。しかし、いつの間にか調査はそっちのけで育成牛の自慢話に摩り替わり、気がつけば共進会で学生と一緒になって楽しんでいました。出品牛も同じ後継牛、フィールドの無限の可能性に驚かされます。酪農家と親身になって問題を解決し、そして共進会に参加して同志になり、結果として全て教育に結びついていきます。言葉では表せない素晴らしいこのシステムを、学生に教えることも教員としての務めだと思っています。  昨年は、第12回中部日本ホルスタイン共進会が50年ぶりに静岡県で開催され、本学学生4名、卒業生2名が参加して大忙しの共進会でした。何日も調教して緊張しながら引いた牛が優秀賞に選ばれ、思わず涙を浮かべた学生、会場の華となるデーリィクインを務め上げた2名の学生は、ともに生涯忘れられない思い出になったと思います。また、昨年度に動物科学科を卒業したOGは、現在デーリィー・ジャパンに勤務しておりますが、今回の取材を快く引き受けてくれました。日獣大のパワーを感じながら充実した2日間を過ごすことができ、私の目論みは成功です。途中で止まっている研究を考えると不安な日々は続きますが、達成感に満ち溢れた学生に出会えた時、実学の素晴らしさを実感します。また、私自身の励みにもなります。牧場教員の仕事も、いつの日か実を結ぶと信じながら勤務しております。