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牧場だより「継・いのち」 第111号 | 「「新しい知見」に対する合意の形成」
第111号:「新しい知見」に対する合意の形成
吉村 格(教授/牧場長)
2014/06/18 更新
「動物福祉は行動学の授業から」
我々が働いている土俵は畜産という産業である。他の産業と同様に経営体として存続するためにはいつも変革が求められ、弱肉強食の渦中から逃れることはできず否応なく変貌を遂げざるを得ない。今、目の前に当たり前のようにしてある畜舎や施設や器具も全ては変革の証である。家畜が365日生活する畜舎は、管理する人間側からは作業での使いやすさが求められ、管理される家畜側からは快適な暮らしが求められ、その相乗効果こそが効率的に生産物を供給してくれる現場となって経営体は担保されていく。それぞれの畜産農家が家畜を扱う管理技術の未熟さを反省し、新しい動物行動学と照らし合わせて補ってきた長年の集積成果を我々は目の前にしているのである。これらは畜産に携わった先人達の思想の結晶で何一つとして理屈に合わないものはないのである。
ここに酪農現場でよく使われているカウトレーナーという器具がある。富士アニマルファームに来場される素人の見学者や動物愛護を自認する文化人には大変評判が悪い器具である。これは繋ぎ飼い牛舎における牛の排糞・排尿位置を制御するための訓練装置として開発された。牛の排泄時の背湾姿勢と排泄位置を規制し、糞や尿を牛床後部にある糞尿溝に落下するよう調節するもので、牛体や牛床の汚れを防止し、結果的には牛により快適な環境を与えている。しかし高電圧・微電流の器具を牛の肩後上部に設置するため、家畜福祉の面から問題だとする考え方もないではない。もし牛の立つ空間がその牛にとっては小さ過ぎ、排泄のたびに電流の刺激を受けるのであれば、それはストレスであり虐待と言われても仕方がない。しかし、実際に行われていることは牛が痛みを避けられる環境を整えた上で、排泄場所以外の場所で排泄すると電気が流れ正しい排泄場所を覚えさせるという仕組みなのである。酪農家がなぜこのような器具を利用するかというと、消費者によりよい牛乳を届けたいため、牛により清潔な環境を与えたいために他ならない。牛を虐めて乳を出さないようにする酪農家など存続できるはずがないのである。
ところで、オペラント条件付きの学習法でのトレーニング理論では、動物はタイプにより主に4つの方法で調教される。正の強化と正の罰、負の強化と負の罰である。正は動物に何かを加えること、負は何かを取り去ること。また、強化は行動を続けさせたい時に、罰は止めさせたい時に行う。例えば、犬の場合は正しいことをすれば褒める、という正の強化の調教方法をとる。馬に乗っている場合は騎手の指示に従えば手綱を引っ張られる不快感を取り除く、という負の強化の調教法をとる。それでは搾乳牛はというと、色々な場面で様々な学習方法を考えなければならないが、寝床である牛床に糞尿を排泄しないようにするためには、痛さを与えて行動を止めさせる正の罰の調教法をとる。しかし、人間が直接的に罰を与えるのは難しい。何故なら牛が悪いことをしたら、いつも同じタイミングで、同じ強度で、しかも0.5秒以内に罰を与えなければ効果は得られない事が分かっているからである。人が叱ると、タイミングがずれて牛が学習できずにストレスとなってしまうが、先に述べたカウトレーナーは適確に罰を与えることができる。動物も馬鹿ではない。人間の子供が熱いヤカンを触って理解するのと同様に、やる方法が正しければ牛も僅か数回で学ぶことができるのである。もちろん畜産学は日進月歩で進化し、畜産農家は日々努力を続けている。やがてカウトレーナーのような器具を使わずとも、「新しい知見」により、牛に快適な環境を整え、消費者に安全な食品を提供できる日が来るであろう。そんな技術を1日も早く手繰り寄せるのが我々の働く大学付属牧場の使命でもある。
技術の進歩が家畜に虐待を与えていると言わんばかりの言説を聞くとこちらの方が恥ずかしくなる。ここで問題なのは、新しい技術の存在が問題なのではなく、使われ方、利用の方法が問われるべきなのである。彼等のやっていることは議論でも話し合いでもない。彼等は完璧な動物飼育を要求するが、完璧な動物飼育がどのようなものか、欠点と背中合わせの長所が存在することさえ知らない。また心理的忌避と倫理的善悪を混同し、目の前にある自分の気にいらない飼養方法を糾弾し、懸命に働く家畜管理者の心を傷つけていることさえ気付いていない。この世に完璧なものなどない。存在しないものを要求するのは難癖以外の何ものでもない。家畜の管理者は無口ではあるが筋金入りの技術者である。人間の10倍の体重と馬鹿力がある家畜に対して何気なく頭絡をつけ保定する姿を見るがよい。これを美しいと言わずして、「動物には愛情を持って接しなければならない」という枕詞で始まる口先だけの「動物福祉論」はそろそろ止めにした方がよいと思う。