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牧場だより「継・いのち」

日本獣医生命科学大学 日本獣医生命科学大学

第158号:来場者

吉村 格 (教授/牧場長)

2016/04/22 更新
 私の中では、「よい」という言葉は「わるい」という言葉を使って初めて完成しますから、「いいなー」と言ったら「わるいなー」という言葉も使わなければならないような気がしています。この人は「良い人だ」という褒め言葉に価値を持たせるためには、別の人にこの人は「嫌な人だ」という言葉を使わなければならないような気がして少し心が重くなります。よって、富士アニマルファームに来場される、いろんな人たち、いろんなグループの人たちに対して窓口の私がそれらの来場者に対して「わるい」はもちろんのこと「よい」と評価することも避けなければならないと思っています。「よい」「わるい」のいわゆる比較言語は個人の思い込みや趣味の問題みたいなものですから、私のいい加減な言明が一般論として「嫌な人」「悪い人」と世に出回ったら大変だとの思いもあります。
 それでも自戒を破ってついつい言いたくなる来場者があります。昨年の夏に来場した「ザ・畜産合宿」と称して来場された動物科学科の第50期(平成14年卒業)の皆さん、本当に「仲の良い」グループだと思いました。子供達を抱えた若いお母さんお父さん達でしたが楽しそうに動物たちと遊んでいかれました。さらに昨年4月に来場された獣医学科の第16期(昭和43年卒業)の皆さん。もう既に70歳を超えておられますが元気いっぱい。学生時代のそれぞれの立ち位置が分かるほど羨ましいほどの仲の良い皆さんでした。牧場見学後の笑顔の集合写真と2本の富士桜の苗木を植樹することを記念とされました。先週、それぞれの木に小さな可憐な花が咲きました。このような来場者をお迎えすることは牧場の窓口を担当する私にとって最高の幸せです。皆さんお元気でお暮らしでしょうか?