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牧場だより「継・いのち」

日本獣医生命科学大学 日本獣医生命科学大学

第160号:12年目の牧場実習

石岡 克己(准教授/獣医保健看護学科臨床部門)

2016/05/23 更新
2016年5月9日から13日まで、本学獣医保健看護学科1年生の牧場実習が富士アニマルファームにて行われました。天気は連日の快晴・・とは残念ながらならず、週半ばには台風でも来たかのような暴風雨に見舞われました。しかし嵐が去った後は台風一過のような青空に富士山が顔を出し、夜にはさんざめくような星空も姿を現しました。
本学の獣医保健看護学科は2005年に設立され、昨年度10周年を迎えたばかりです。この実習は学科開設当時から途切れることなく続いており、普段は犬や猫などいわゆる伴侶動物の実習が中心となる本学科の学生達に、動物に向き合う専門家としての見識を広める大きな役割を果たしてきました。10年の間に実施時期は秋から春に変わり、途中ボイラーが壊れて牧心セミナーハウスへのお風呂ツアーを決行したり、台風で富士セミナーハウスの屋根が剥がれたりと、いろいろなトラブルもありました。教える側も当初からの教員は今や数名を残すのみとなり、メンバーは大きく様変わりしました。しかし、新しく入って来られた先生方が高い熱意を持って望まれたおかげで実習は無事継続、いや毎年地道にグレードアップを続けています。
2005年の学科開設の年。私は第1期生の担任として最初の牧場実習に参加しました。当時は臨床経験のある教員が他におらず、犬の実習を1人で8回やったのは大変な・・ではなく楽しい思い出です。そして2016年、第12期生を迎えて再び私が担任を務めることとなり、今年は10年を挟んだ2度目の担任としての実習ということになりました。最初の牧場実習当時1年生だった第1期生の小田先生や塩川先生が今回は教員の側で実習を動かし、1年生を指導しているのを見ていると、時の流れを感じます。
この10年で、本学科にやってくる学生達は変わったのでしょうか。見た目や授業での反応など、表面的な部分はいろいろ変わったようにも見えます。しかし、実習で動物を前にしたときの反応を直に見ていると、本質は何も変わっていないような気がします。動物が好きで真剣に学ぶ意欲・能力のある学生達が来てくれる限り、本学科はそれに応え続けます。

〜2017年の実習が天候に恵まれる事を祈って〜
石岡克己