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第181号:時代のニーズに応える農場実習への期待

応用生命科学部動物科学科 システム経営学教室 准教授 長田 雅宏

2017/10/05 更新
 本年度の動物科学科2年次の農場実習は、富士アニマルファームにおいて2回(1回目8月9~12日、2回目8月30日~9月2日)に亘り行なわれました。1回目の実習では、台風5号の直撃により早朝の作業が中止となりましたが、その後は台風一過の晴天に恵まれ終始和やかに、また充実した実習となりました。
 農場実習を通じて、家畜に向き合いながら知識を確認すること、本学で経験できない家畜の扱い方を学ぶことは大変意義あることと実感しております。明治政府で多才ぶりを発揮し、育英黌(いくえいこう)農業科の創設者である榎本武陽先生の「学びてのち、足らざるを知る」という言葉があります。学生は懸命に座学に励んでおりますが、現場での経験が浅く、日々奮闘しながらも学びの足りなさを知ります。気づいた学生は極めたいという思いからさらに精進しますが、興味がもてない学生は人生の選択肢から畜産を排除することになります。これもまた然りだと思います。人には向き不向きがあり、すべての学生に畜産に対する価値観を共有することは不可能です。しかし、牧場は畜産物を供給し、日々の糧を支えていること、生きていくために必要不可欠な食料生産の現場であることを理解して欲しいと思います。
 人口減少期へ突入し進学率の頭打ちが重なる、いわゆる「2018年問題」が問われ、教育現場の大変革がはじまっています。本学においても大学の改革・改善への取組みとして、中長期プロジェクトチームを設置して検討しています。少子化は今にはじまったことではありませんが、4年制の私立大学の数は増え続け、進学率の伸びによって支えられていた大学は、社会の要請に応えうる教育現場へ改革を進めなければなりません。
 今後、日本の高等教育に求められているものは何か。どういう人材を社会が必要とし、大学の4年間で何を教えて送り出すのか。時代が求めているものは何か。学力だけの教育ではなく、社会性・理解力のある学生を育てなければなりません。私は農業教育の視点から、農場実習において実学を身につけて、現場に通用する人材を育てたいと考えております。学生諸君には、自らの成長と将来の可能性を信じ、今後も積極的に実習に参加して欲しいと思います。本学から畜産業界の先頭に立ち、地域に貢献するリーダーが輩出されることを願ってやみません。最後に、吉村格先生をはじめ牧場スタッフの皆様、参加いただきました教員の皆様に心より感謝を申し上げます。