富士アニマルファームMENU

牧場だより「継・いのち」

日本獣医生命科学大学 日本獣医生命科学大学

第184号:関係各位ならびに実習牛たちに感謝をこめて

獣医学部獣医学科 臨床獣学部門 治療学分野Ⅱ 助教 三浦 亮太朗

2017/11/13 更新

 台風一過で初冠雪を迎えた翌日の10月24日(火)から2日間、富士アニマルファームの広場は他県ナンバーの車で満杯になりました。その理由は、ここで、平成28年度畜産・酪農収益力強化総合対策基金等事業による研修会(繁殖性等向上対策のうち技術力向上のための研修会)が開催されたからです。
 この事業は、今年から5年間、主催者である(公社)畜産技術協会から貸与された機器を利用して、産業動物臨床学研究室の教員が中心となって、全国で活躍されている畜産技術者に対して繁殖性向上に関連する実践的な研修会を開講するというもので、初回である今回は、応募のあった岩手から静岡までの畜産技術者を招いて「超音波診断技術研修会」を開催しました。

 研修内容としては、初日に、外部講師として招聘した東京農業大学付属牧場の野口龍生先生に、最新のカラードップラーを用いた卵巣診断演習をしていただき、翌日は、神奈川県畜産技術センター坂上信忠先生にホルモン処理した牛生体卵巣から卵子を吸引採取するOPU(Ovum-Pick-Up)を実技演習していただきました。研修生たちはみな、初めてのお披露目となる機器の解像度の高さに驚きつつ、代わる代わるOPU操作に挑み、無事に実習牛2頭から卵子を回収していました。今後も更に本研修会のグレードアップを図るため、研修生に対しアンケート調査を実施し、研修会の在り方や企画内容の充実につなげていきたいと思っております。
 最後に、主催者をはじめホルモン処理を実施していただいた富士アニマルファーム教職員、外部講師、関連機器の円滑な操作のために手弁当で駆けつけてくださったメーカーの方々、今回は研修生として参加されてはいるものの、いずれも第一線で活躍されているエコー診断に長けた畜産技術者各位の御協力のお蔭で円滑に研修を進めることが出来ました。心より感謝申し上げます。また、獣医保健看護学科1年次の体験実習に始まり、獣医学科5年次の大動物臨床実習、獣医学科3年次の動物衛生学実習、動物科学科2年次2回の農場実習、獣医学科2年次の付属牧場実習、動物科学科4年次の家畜人工授精師講習会実習、獣医学科4年次動物衛生学実習、そして今回と、1年間活躍してくれた実習牛たちに対しましても改めて感謝の意を表したいと思います。1年間ありがとうございました。