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第50回日本てんかん学会においてJUHN AND MARY WADA奨励賞を受賞しました

獣医学科 臨床獣医学部門 治療学分野Ⅰ 准教授 長谷川大輔

左)長谷川大輔准教授、
右)大澤真木子日本てんかん学会理事長

左)湯祥彦さん、右)長谷川大輔准教授

 去る10月7日から9日にかけて静岡県コンベンションセンターグランシップにて開催された「第50回日本てんかん学会」において、私こと長谷川大輔(日本獣医生命科学大学獣医学科臨床獣医学部門准教授)が、2014年に学術誌Epilepsy Research(108:1018-1025)に掲載された“Electroencephalographic features of familial spontaneous epileptic cats”の功績からJUHN AND MARY WADA奨励賞〈基礎部門〉の表彰を頂きました。
 JUHN AND MARY WADA奨励賞は1978年に制定された、てんかんを主題とした若手研究者(45歳未満)の論文に対して日本てんかん学会より授与される学会賞です。賞の冠名にあるDr. Juhn A. Wada(北海道大学出身,カナダUniversity of British Columbia教授)は日本が生んだ世界的なてんかん学者であり、Wadaテスト(アミタールテスト)ともよばれる優位言語半球の診断検査を確立、また実験てんかんでは日本に猫キンドリングモデルを伝道された大先生です。そのWada先生ご夫妻を記念して設けられた賞に、今回、家族性自然発症性てんかん猫という新しい遺伝性てんかんモデルの脳波学的検討を行った私達の論文が採択されたのは、非常に光栄であると共に、何か実験てんかんモデルの歴史的な重みを感じざるを得ません。
 第50回日本てんかん学会は、てんかん学会にとっても50年という節目の大会でありましたが、その中で小生も日本てんかん協会との共催で行われた一般市民公開講座で「犬と猫のてんかん:獣医学領域におけるてんかん診療」について講演させて頂きました。さらには学会のEnglish Session(英語での一般口演)、 実験てんかんの分野で大学院獣医学専攻博士課程2年次の湯祥彦さんがEnglish Presentation Awardに選出され、なんとも嬉しいダブル受賞となりました。
 てんかんは人でも動物でも一般的な脳疾患であり、今後も医学、獣医学の垣根を越えた研究が進んでいければと期待しています。また日本医科大学では日本医科大学包括てんかん診療ミーティング(NMS-ENM)が設立されており、そのような体制が整ってきていることも大きな要因の1つだと感じています。