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獣医保健看護学基礎部門(微生物・感染症学研究分野)学生が平成26年度獣医疫学会 優秀学会発表賞を受賞しました

獣医疫学会の平成26年度優秀学会発表賞に、本学獣医保健看護学科獣医保健看護学基礎部門 微生物・感染症学研究分野に所属する今枝里帆さんらによる「外部環境が及ぼす消毒薬のウイルス不活化効果の変動に関する調査」が選ばれました。2010年に流行した口蹄疫は畜産経済に多くの被害をもたらし、動物衛生・畜産関係者の努力により約半年で流行が終息したものの、多くの課題が残されました。その一つに消毒薬に関する課題があり、消毒薬を屋外で使用することで消毒効果がどれほど減衰するのかなどの疑問が畜産農家や防疫現場から挙げられています。今枝里帆さん(平成25年度卒業)及び中島知恵子さん(平成24年度卒業)らは、分野責任者である青木博史准教授の指導のもと、外部環境に置かれた消毒薬の効果持続期間や効果減衰要因について検証しました。その結果、消毒薬の種類によって、気温、湿度、外部環境への暴露時間、環境中の使用形態、極寒冷地における使用法などがいずれも要因となって消毒薬の物理化学的性状が変化し、ウイルス伝播の抑制能力が減衰することを実証しました。また、この結果を踏まえ、屋外で使用する消毒薬の交換時間や使用方法の注意点について詳細な提案がなされています。今回の受賞は、時間・場所・ウイルス伝播抑制効果などの疫学特性を加味しながら検証し、口蹄疫はもとより家畜衛生や疫学解析に有用な知見であることなどが理由となったと聞いております。今枝さんらの成果は動物衛生行政においても有用な成績と評されており、家畜衛生関係の全国会議をはじめ様々なところで成果が紹介されています。

(獣医保健看護学基礎部門長 近江俊徳)

写真左:受賞時の青木准教授(今枝さん代理)と獣医疫学会長
写真右:表彰状

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