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大学院獣医保健看護学専攻博士前期課程2年次 細野修平さんが日本獣医学会 微生物学分科会若手奨励賞を受賞しました!

獣医保健看護学科 獣医保健看護学基礎部門 准教授 青木博史

 9月6日から8日に亘って開催された第159回日本獣医学会学術集会において「リバースジェネティクス法を用いて合成した豚サーコウイルス2型による細胞剥離現象」の演題で研究発表した細野修平さん(本学大学院獣医保健看護学専攻博士前期課程2年次)が、日本獣医学会微生物学分科会(関崎勉会長)の若手奨励賞を受賞しました。日本獣医学会のなかでも最も規模が大きい微生物学分科会ですが、研究内容、発表、質疑応答及び将来への期待などが総合的に評価されての受賞となりました。
 細野さんは、離乳したての子豚に感染して慢性的な病気を引き起こす豚サーコウイルスについて研究しています。「豚の新興感染症」として発見されてからまだ歴史の浅いこのウイルスの感染や発病には不明な点が多く、診断や対策についての課題も多く残されています。細野さんは、ウイルスを人工合成する技術(リバースジェネティクス系)で作製した混ざりもののない高純度のウイルス材料を作り、それを用いることで、今までに知られていなかった豚サーコウイルスの新たな性質(細胞を壊す力)を発見・証明しました。また、それらの性質が診断に応用できる可能性について考察しています。細野さんの成果は、未発達であった豚サーコウイルス培養法・診断法の改善や養豚衛生の向上に貢献するとともに、獣医保健看護学における動物衛生領域の発展につながるものと大いに期待されます。

日々の実験に精力的に取り組む細野さん

所属研究分野の塩川舞 助教(左)と受賞した細野修平さん(右)