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大学院獣医保健看護学専攻博士前期課程2年次 後藤杏依さんが第13回 日本獣医内科学アカデミー学術大会において奨励研究アワードを受賞しました!

獣医保健看護学科 獣医保健看護学臨床部門 教授 左向 敏紀

 クリニカルニュートリション研究会は犬と猫の臨床栄養学に関する研究を支援している団体で、助成研究の中から選考委員会にて特に優秀であると評価された研究にはアワードが授与されます。
 大学院獣医保健看護学専攻博士前期課程2年次の後藤杏依さんは、2015年度に「フードの変更が家庭犬の糞便マイクロバイオームに与える影響について」というテーマで研究助成を受け、平成29年2月17日~19日にパシフィコ横浜で開催された第13回 日本獣医内科学アカデミー学術大会にてその研究成果を発表し、この度、奨励研究アワードを受賞しました。
 マイクロバイオームとは腸内細菌叢とも呼ばれ、健康や疾患、寿命延長に関与しているといわれています。獣医療においても徐々に研究が進められている研究分野ではありますが、実験犬を対象にした報告がほとんどで、環境要因や遺伝的背景が異なる様々な家庭犬を対象にした研究は非常に少ないのが現状です。この研究では家庭犬を対象とし、腸内細菌叢に対して最も大きな影響力を持つとされる食事に着目して、食事が家庭犬の腸内細菌叢に与える影響について検討を行いました。その結果、家庭犬においても実験犬と同様に食事の変更によってマイクロバイオームを統一化することが可能であること、そして、特にタンパク質摂取がマイクロバイオームに与える影響が大きいことなどが明らかになりました。この成果は、獣医療における食事療法の重要性を示唆するとともに、さらなる臨床栄養学の研究発展に繋がるものと期待されます。

受賞した後藤さん(左)と左向教授(右)