学生からのレポート Report

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2021年度家畜人工授精師講習会を終えて

動物科学科 4年次 小川杏菜

 2021年8月7日から9月10日にかけての約1か月間、入学当初から取得したいと考えていた「家畜人工授精、家畜体内受精卵移植および家畜体外受精卵移植(ウシ)に関する講習会」に参加させていただきました。本講習会では、学科講義に加えて、体外受精卵作出の実習を学内で、ウシの直腸検査や注入操作の実習を富士アニマルファームや他機関で行いました。

 今回の講習会を通して、自分の中で1番成長できたと感じたのは直腸検査です。最初に直腸検査したときは、子宮頚管に触れることもできずにとても悔しい思いをしました。その後、保存していた子宮を用いた実践に近いトレーニングにおいて、丁寧に教えていただいたおかげで、2回目の直腸検査の実習では子宮頚管がすぐにわかるようになり、少しではありますが自分の成長を感じることができました。人工授精や受精卵移植を行うには、まず直腸検査できることが大前提となります。このため、来春からの就職先でも、本講習会での経験を基礎としてさらに直腸検査の経験を積ませていただき、人工授精師兼受精卵移植師として頑張りたいです。

 卒業研究では、ブタ卵巣を用いて実験しています。本講習会では、ウシの卵巣を用いた体外受精実技の実習も行えました。自分が採取した卵子を体外受精させ、胚盤胞に発生したのを確認できたときは、本講習会の中で1番感動しました。そして、その受精卵が1つの「生命」になると思うと高揚感が止まらなくなりました。講習会を通して自分の手で受精卵を作出して自分の手で移植をする、そしてその子牛が誕生する出産に立ち会うことが私の夢の1つとなりました。

 新型コロナウイルスが流行している中、例年の実習とは異なり、富士アニマルファームでの宿泊実習はできませんでしたが、富士アニマルファーム、学外機関、および講師の先生方、卵巣を提供してくれた動物、実習をさせてくれた動物、そして共に講習会を無事に終えることができた仲間のおかげで、とても充実した4年生最後の夏を過ごせました。この場をお借りして感謝申し上げます。誠にありがとうございました。

▲子宮からの受精卵回収実習

▲ウシ胚盤胞

▲人工授精実習