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激録!!黒い噂の絶えない研究室 “動物生産化学教室” の実態に迫る。

大学院 獣医生命科学研究科 応用生命科学専攻 博士前期課程
動物生産化学教室 修士1年 清水 慶

 動物科学科の研究室決めについて、学生は3年次より各研究室へ配属になる。それぞれの学生が自身の興味や関心の深い分野とマッチした研究室を選び、入室の希望を申請するというシステムになっている。研究室選びをする学生たちにとっては自身の希望する研究室がどのような研究室なのか、研究テーマだけでなく研究室内の雰囲気や飼育・掃除当番の有無、教員と学生との距離感などといった情報は彼らの選択を大きく左右する。
 そんな研究室選びの最中では研究室への印象が学生間で共有され、彼らの憶測が研究室にまつわる様々な噂を呼び起こしているようだ。
 私が独自に行った調査の結果、どうやら動物科学科の学生の間では動物生産化学教室がブラック研究室として名高いようである。聞くところによれば基本的な人権はない、怪しい草の練り物を作っている、休むなど言語道断、独自の規則があるなど、いかにもといった黒い噂が出てくるではないか。
 火のないところに煙は立たない。私のジャーナリズムにも火が付いた。という事で私は動物生産化学教室のその実態を探るべくE棟5階、動物科学科フロアの奥地へと向かった…

 噂通りのブラック研究室であるならば、必ず不満や恨み、つらみ、罵詈雑言が研究室内に溜め込まれているはずだ。そこで私はまず、件の研究室に所属する学生たちに聞き込み調査を行うことにした。私は自身のことを室長と語るE見さんへの接触に成功し聞き込み調査を行った。彼女は研究室に所属する学生の中でも中核を担う人物のようであるため、有力な情報が期待できそうだ。

Q1:研究室はブラックだと感じますか?
E見さん:あ~(笑)忙しいなあとは感じていますよ(笑)。でもやることがあるのはいいことだと思います!

Q2:研究室に不満はありますか?
E見さん:特には思い当たらないですね。

Q3:研究室でキツイと感じたことはありますか?
E見さん:私が研究を進めている中で、一つの試験で大きなミスをしてしまったときはとても辛かったです。

 あまりにも平凡過ぎる回答だ。当たり障りないようなことを言って私を煙に巻こうという魂胆なのだろうか。この口の堅さ、さすがは室長といったところであろう。いくら踏み込んだ質問をしたとしてもこれ以上は時間の無駄になりそうだ。この場は次の質問で最後としよう。

Q4:研究室に対して何か変だ(異常だ)と感じるところはありますか?
E見さん:やっぱり生産化学には生産化学独特の雰囲気があると思います。まあ雰囲気の話をしたらほかの研究室にも同じことが言えると思いますが。
あ、でもサンタさんが来る研究室はほかにはあまりないと思いますね(笑)。
サンタさん?
彼女の語るサンタとはあの赤いサンタクロースのことだろうか?
昨年の冬に彼女が捉えたというサンタさんの写真がこちらである。

 何という事か!この写真に写っているのは紛うことなきサンタクロースではないか!そのたたずまいはプレゼントを仕掛けようと研究室の中の様子をうかがっているように見える。さらに驚くべきことにトナカイまで同伴しているではないか!
やはりこの研究室には何かある。
私の勘がそう告げている。

 室長への聞き込みを終え、その場を後にした私は次の聞き込み調査をするべく動物生産化学教室の更なる奥地へと進んだ…
 次なるターゲットは鶏のパイオニアを自称するK山さん。

Q1:研究室をブラックだと思いますか?
K山さん:う~~~ん…。思い当たるところはないですかね~。研究室で動物の管理をしているので忙しいのは当然なのかなーと。

Q2:研究室に不満はありますか?
K山さん:これも特にないですかね。

Q3:研究室でキツイと感じたことはありますか?
K山さん:自分の能力不足でいろいろうまくいかない事があるととても辛いです。

 生産化学の学生は洗脳でもされているのだろうか?
E見さんと同じようなことしか口にしないではないか。それともただの真面目な学生であるだけなのだろうか?それならば大変喜ばしいことだが、私にはどうとも区別がつかなくなってきてしまった。この辺りが調査を切り上げる潮時なのかもしれない。次の質問で今回の調査は締めくくることにしよう。

Q4:研究室に対して何か変だ(異常だ)と感じるところはありますか?
K山さん:変わったことと言えば、うちの研究室には朝から晩まで鬼のように実験をする狂気の実験マシーンがいるとか。なんでもその正体は黒くて……

 K山さんはそこまで口にするとハッとした表情を浮かべ「喋りすぎた」とつぶやくと、何かに追われるようにして走り去ってしまった。
狂気の実験マシーン?
サンタクロースといい、なんとバラエティーに富んだ研究室だろうか。
謎は深まる一方ではあったが、噂通りのブラック研究室という訳ではなさそうだ。
私はこの研究室のすべてを暴くまでは調査をやめることはないだろう。

注:この記事は多くの脚色を含みます。

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