食のいま

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第24号:「食の安全-コンビニ弁当から思うこと(前)-」

 私29歳になりますが未だ独り身です。独身男の食生活はと言いますと非常に貧しいもので、自炊するのはほんの休日くらい。大抵は外食か弁当という悪しき食生活を送っております。そんな悪食の私の強い味方になっているのが24時間営業している“コンビニエンスストア”。私のマンションの近くにもあり、よくお世話になっています。ところが、最近こんな記事を目にしました。西日本新聞社発行のブックレット『食卓の向こう側』によれば、「福岡県内の養豚農家で、あるコンビニの弁当やおにぎりを母豚に毎日3キロずつ与えたところ、奇形や死産が相次いでいたことが分った。」そうです。豚の体の構造は比較的人間に近く、非臨床試験などにも用いられる動物です。さすがに人は1日に3キロもコンビニ弁当を食べないにしても、誰もが一度はお世話になったことのあるコンビニ弁当。これはちょっと注意が必要だと感じました。
 現在のコンビニ弁当には様々な添加物が使用されています。日持ちさせるための保存料やpH調整剤。見た目をよくするための着色料や発色剤。揚げ物などの酸化を防ぐ酸化防止剤etc.・・・。これらの中には大量に摂取するとガンなどの病気を誘発するものが含まれています。これらコンビニ弁当に含まれている様々な添加剤のうちどれが今回のブタたちに影響を及ぼしたかは不明ですが、少なからずこれら添加剤の及ぼす影響は少ないとはいえないようです。
 ただ、ここで誤解をしないでもらいたいのが「コンビニ弁当=危険」というものではないということです。コンビニの中には比較的添加物を少なくする努力を行っているチェーンもあるようですし、基準値以上の添加物を使用することは「食品衛生法」で禁止されています。添加物の発がん性に関しても危険値よりもはるかに低い濃度で添加されています(のはず・・・)ので、普段は体の中で分解・排出され、普通に摂取する分には全く問題ないのです。  (つづく)