富士アニマルファームMENU

牧場だより「継・いのち」

日本獣医生命科学大学 日本獣医生命科学大学

第166号:農場実習を終えて

長田 雅宏(准教授/システム経営学教室)

2016/09/09 更新

 本年度の動物科学科農場実習は、富士アニマルファームにおいて1回目が8月9日より12日まで、2回目が30日より9月2日までの日程で行なわれました。2回目の実習は、台風10号の接近により初日から2時間遅れのスタートとなりましたが、それ以外の影響はなく終始和やかに、また充実した実習となりました。
 この実習は、動物科学科2年次に実施する資源科学系の選択科目であり、3年次に行なわれる牧場実習(必修)の技術習得の場として位置付けられています。今回は産業動物を徹底的に学ぶこの実習について少しお話をさせていただきます。

 付属牧場から本学へ異動してまもなく2年が経過します。付属牧場に勤務していた時は学生を迎え、実習を補助する立場でしたが、現在は学生を引率し、フィールドでの講義を組み立てています。実習中の4日間は教示の場だけではなく、学生と生活を共にすることで親睦が図られ、武蔵境キャンパスでは得られない楽しさを肌で感じます。
 参加した学生たちは、今までに経験したことのない現場作業や実際に家畜・家禽を用いた実習に最初は戸惑いながらも、徐々に動物を管理する責任や達成感を味わっていました。学生の中には集団生活に不安を抱えつつ実習に参加した者もいましたが、僅か4日間で確実に成長していく様子を垣間見ることができました。きっと彼らは食の大切さ、社会貢献に気づいてくれたと思います。これも実習の効果だと感じております。

 私が専門とする畜産経営学は、地域の歴史的・文化的資源を大切にしつつ、時として新しいシステムを取り入れてより確実な経営、より魅力的な地域形成を図っていく分野です。これまでの技術進歩は様々な知恵と工夫、そして行政支援を伴って発展してきたことが分かります。実習では、このような日進月歩の先端技術を学び、時代の変化に沿った教育を実践しています。これからの大学に求められることは人格形成の場であると同時に、最先端の技術を教示する場を提供することです。今後もニーズに応え得る最高の教育の場を築きたいと考えております。
 学生の皆さんには自らの成長、将来の可能性を信じ、今後も積極的に実習に参加して欲しいと思います。最後に、吉村格先生をはじめ牧場スタッフの皆様、参加いただきました教員の皆様に心より感謝を申し上げます。