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牧場だより「継・いのち」

日本獣医生命科学大学 日本獣医生命科学大学

第195号:獣医学科2年次牧場実習を終えて

獣医学部獣医学科 生体分子化学研究室 講師 佐藤 稲子

2018/10/04 更新

 風に秋の気配を感じる中、8月28日~31日の4日間、本学付属牧場の富士アニマルファームにて、牧場実習を実施しました。対象は獣医学科2年次、選択科目ということで全体の約1/3の31名(男子13人、女子18人)の学生が参加しました。

 実習は、学生を5班に分けて、4日間で5つの実習と5つの牧場作業をローテーションする形で行いました。実際に動物に接しながら、動物の取り扱い(豚や羊)、牛学(臨床、繁殖、解剖)、馬学を勉強する他に、マダニの生態調査や、近隣の乗馬クラブにおいて乗馬を体験しました。また牧場作業では、搾乳、畜舎内作業、厩舎内作業、羊の作業、牛乳の検査を体験いたしました。

 全ての実習や作業において、教員や牧場スタッフが丁寧な説明と指導を行い、学生もそれに応える形で、真剣なまなざしで取り組んでおりました。朝の牧場での作業はまだ夜も明けきらぬ薄暗い中での集合となりましたが、寝坊した学生は1人もおらず、熱心な学生はそれよりも前に宿舎から厩舎や牛舎に向かい、動物を眺め、また、先生方に質問をしていました。
 実習の3日目には、本学の卒業生でもある、後藤 洋先生(富士山デーリィクリニック)と守谷 友加里先生(静岡県東部農業共済組合)に大動物臨床獣医師の仕事について講義をしていただきました。後藤先生は産業動物を対象として今年開業され、その開業前後の流れなど、守谷先生には、産業動物臨床と小動物臨床との違いなどをわかりやすくご説明いただきました。お二人の先生方の講義は、獣医師という仕事の魅力が大いに伝わる内容で、講義直後の質問も多く、学生の印象に強く残ったようでした。
 獣医学科では、2年生の前期までは基礎的な実習や講義が実施され、大型の動物に触れる機会はほとんどありません。初めて牛、馬、羊、豚に触れ、その体温を感じ、心音を聞いた経験は得がたいものです。この体験を自分の中にしっかり留めて欲しいというのが、引率した教員として思うところです。
 最後に、本実習の実施に当たり、吉村牧場長はじめ牧場スタッフの皆様、参加して下さった教員の皆様、準備にご協力いただいた事務職員の皆様、現場で大活躍だった補助学生の皆様に、この場をお借りして感謝申し上げます。