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牧場だより「継・いのち」

日本獣医生命科学大学 日本獣医生命科学大学

第218号:小学校低学年の家畜への関心と酪農体験

1998年度畜産学科卒業 小川香菜

2019/12/06 更新

 2年前、約20年ぶりに母校を訪問したことにより「あるご縁」ができた。関わってしまった先生方からすると「できてしまった・・・」と感じていらっしゃるかもしれない。その「ご縁」で今年のゴールデンウィーク、夏休み、11月の連休・・・・と、計3回アニマルファームを訪れることができた。妹と甥(小3)・姪(小1)を連れて。

 子供たちは主に乗馬を教わり、その他では牛の搾乳や山羊・羊など家畜の様々な事を吉村先生及びスタッフの方々に「楽しく、そして熱心に」教えていただいた。楽しみながら「やる気・本気・勇気・考察力」と様々な感性を刺激してくださった吉村先生には本当に感謝しかない。そして、子供たちがファームで過ごす事を了解し、補助をしてくださったスタッフの方々・・・・。  吉村先生には馬のことをイチから教わり、甥は「馬について」を夏休みの自由研究にした。訪問3回目には各々が自由に馬を操れるまでになった。馬との触れ合いを撮影したホームビデオや写真を見ると「楽しくて仕方がない」感情が画面を通して溢れるほど伝わってくる。

 牛の搾乳体験はスタッフの寺岡さんが担当してくださった。それ以外に1日のスケジューリング、設備費用、排泄物の量と処理、餌の量と価格・・・・などから導き出される牛乳1キロ当たりの収益などを丁寧に教えていただき、子供たちは「畜産経営」を現場で学ぶことができた。

 家に戻るとしばらくは(→大袈裟ではなく軽く2週間以上)毎日吉村先生とアニマルファームの話題が食卓に上る。それほど全てが「楽しい」のだ。
 しかし今回、その話題にひとつの変化があった。「吉村(先生)ロス」である。土産話を聞いている彼らの祖父母=私の両親も一緒に「吉村(先生)ロス」になっているほどだ。
 吉村先生が突然退職される事に、私たち4人組はショックでショックでたまらないのである。私や妹は、先生が構築されてきたファームの引継ぎを行うには準備期間が不十分過ぎるのではないか?先生もそれを成すまで現役を頑張っておられたはず・・・・などと考えを巡らせてしまう。何度も。
 特に卒業生である私には、母校に対する悲しいクエスチョンがどうしても払拭できないでいる。
先生の「もう来るなよ~今生のお別れです」(=ダチョウ倶楽部の「押すなよ押すなよ」)が本当に聞けなくなってしまう時が来るなんて・・・・。

 吉村先生、5月にいきなりやってきた4人組の相手をしていただき本当にありがとうございました。