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「アドベンチャーワールド動物園実習に行って」 4年 濱野 結加

アドベンチャーワールド動物園 今年の夏休みに、和歌山県南紀白浜アドベンチャーワールドに獣医実習に行った。初めて実習に行ったので、とても不安でいっぱいだったが、野生動物の治療が、どんなことを行なっているのかが知れるという期待に胸を膨らませていた。
チーター、ペンギン、イルカなどの動物の治療を毎日実施し、急患で来た動物の治療をするのが主であった。初日には、チーターの治療を見学し、お手伝いで、保定などをさせて頂いた。猛獣を目の前にしたときは、怖いという気持ちより、こんな近くで見られたという嬉しい気持ちの方が圧倒的に強く、とても興奮した。チーターでは腎疾患や肝疾患を治療していた。本来なら、アフリカのサバンナ地帯で日々獲物を追うため、自然に運動が出来るが、動物園での動けるスペースが十分にないため、どうしても運動不足になってしまい、病気になりやすいとの事だった。治療中に、出来るだけ動物にストレスを与えないために、腎疾患用のダイエット食を与えるなどの工夫がなされていた。二週間の中で、最も多かった急患は、真夏ということもあり熱射病による脱水症例であった。
私が最も印象に残っていることは、人工哺育で育てられたライオンの子どもを母親の元に帰したことである。このライオンはうまく母親に育ててもらえなくて、当時は生後50日であった。この子を母親に会わせる訓練は、まず同腹子に会わせることから始まった。これによって、自分はライオンだということを認識させ、人の臭いを消し、母親に会わせやすくするためにこの作業を数日行った。そして、実習最終日についに母親に会わせることになり、上手くいくか不安でいっぱいだった。しかし、いったん会わせると母親がやさしく接していたのを見て感動した。
今回の実習は毎日が新鮮で、大学の実習ではできないことが経験できて本当に良かった。獣医師になりたいという気持ちがいっそうに強くなった実習体験だった。