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日本獣医生命科学大学 FD委員会主催 第1回FDワークショップ報告書

平成24年度第1回FDワークショップが、去る9月19日(水)の午後1時から5時まで、武蔵野市立武蔵野プレイス会議室で開催された。本学において、初めて開催された記念すべきものであった。
当日は、池本学長を含む32名の教員と5名の職員が参加し、ワークショップを実施した。
今回は、「定期試験問題の作り方」をテーマに、講演会と教員による実践編を組み合わせて、下記の進行表に従い、ワークショップを行った。
池本学長先生から、開会のご挨拶を頂いた後、公益財団法人日本人事試験研究センターの主任研究員の吉岡徹先生から「より良い定期試験問題の作り方-記述式テストの短所を補う-」という演題で講演をしていただいた。
まず、定期試験の解答形式には記述式と選択式があり、それぞれの長所と短所が説明された。記述式テストの長所として、「基礎知識から高度な思考やそのプロセスまで、様々な特性を問うことができる」、「絶対的な正答が無い出題にも適する」、「受験者による当て推量が起こらない」などが挙げられた。一方、短所として、「主観的評定」、「採点基準が曖昧」、「評定にバイアスが入りやすい」、「出題者の意図が、質問項目から読み取りにくい」、「想定していなかった解答が現れやすい」、「少数の質問項目しか出題できない」などが解説された。

次に、記述式テストの短所を補うために、定期試験で活用できる「定期試験の7手順」が紹介された。

  • 手順1:評価する目的を明確化する。
  • 手順2:測定しようとしている特性を明確に定義する。
  • 手順3:測定形式を考え、評定する特性に応じて、質問項目数や解答時間を設定する。
  • 手順4:「質問項目、採点基準、模範解答」を作成する。
  • 手順5:定期試験を実施する。
  • 手順6:採点する。「常に採点基準を再確認しながら実施すること」や「疲れたときには休憩を取ること」が重要である。
  • 手順7:教育活動へフィードバックする。

以上の手順で行うと、記述式テストが定期試験として効果的に実施できると解説された。

吉岡先生の講演後、参加した先生方が5つのグループに分かれ、下記に従い、記述式テストを作成するワークショップを行った。

  • 1)1つの授業科目を取り上げる。
  • 2)その授業科目を履修した学生の学修成果を評価するための「短文記述式の問題」1問を作成すると同時に解答時間を決める。
  • 3)質問項目と採点基準を作成する。
  • 4)模範解答を作成する。

上記の3)までの作業が終わった時点で、最初のグループ発表を行い、作成した問題と採点基準に関する質疑を実施した。その後、質疑や吉岡先生のアドバイスを踏まえて、問題並びに採点基準等をブラッシュアップし、模範解答を含めて最終発表を行った。最終発表では、各グループ共に、より良い定期試験問題が完成されていた。

このようにして、初めて実施された日本獣医生命科学大学ワークショップは、無事終了した。参加してくださった先生方のアンケートでは、ほとんどすべての方が、満足し、今後の教育活動に役立つとの評価をしてくださった。今後も、有意義なFDワークショップを開催してゆきたいと思います。先生方もFD活動へのご協力をよろしくお願いいたします。(文責 FD委員会委員長 西村敏英)

ワークショップ 進行表

時間 実施内容 担当者等
13:00-13:05 開会の挨拶 池本学長
13:05-14:15 講演「より良い定期試験問題の作り方-記述式テストの短所を補う-」 吉岡講師
14:15-14:20 休憩
14:20 ワークショップの実践について 柿沼教授
14:20-15:00 参加者による試験問題作成(その1) 参加者全員
15:00-15:30 作成した試験問題の各グループによる発表(その1) グループ代表者
15:30-15:40 休憩
15:40-16:10 参加者による試験問題作成(その2) 参加者全員
16:10-16:50 作成した試験問題の各グループによる発表(その2) グループ代表者
16:50-17:00 まとめ 吉岡講師