平成30年度 入学式 式辞

日本獣医生命科学大学 日本獣医生命科学大学

平成30年度 入学式 式辞

 本日、ここに新入生の皆さんをお迎えし、平成30年度入学式を挙行できますことは、本学にとって大きな喜びでございます。
 日本獣医生命科学大学そして大学院に入学された皆さん、入学おめでとうございます。本学教職員一同、心から歓迎いたします。これまで皆さんをささえてこられたご家族の方々には、心から敬意を表するとともに、お祝い申し上げます。
 また、お忙しい中、多くのご来賓の皆様にご臨席を賜り、誠に有難うございます。
 本日、めでたく入学された学部生382名、大学院生30名が加わり、新たなスタートとなります。

 私立大学は、それぞれ建学の精神に従った独自性のある教育・研究を行っているところに、特色を有しています。日本獣医生命科学大学は、明治14年に開学以来137年の歴史を有します。その間、移転、学校名変更を経て、昭和12年より武蔵境がキャンパスとなりました。学是を「敬譲相和」とし、「謙譲と協調、愛と倫理を育む科学の創成」を目指し、約2万人の卒業生を輩出してきました。
 今年も3月に376名の学生が卒業、修了いたしました。その学生を対象にしたアンケート調査のなかで、学是、教育方針に関する設問に対し、「ある程度身に付いた」の回答を含めると約80%の卒業生が「身に付けた」と回答し、本学の学是、教育理念とともに社会に巣立っていきました。

 さて、新入生の皆さんの中には、希望通りに入学した達成感で、希望に溢れている人もいれば、必ずしも思いが叶わず、悔しい思いを持ってここにいる人もいると思いますが、今日という出発の時にいろいろな思いに区切りをつけて、新しい目標を立て、意欲をもって、自己研鑽に努めてください。そして、前から向かってくるチャンスを敏感にキャッチし、積極的にトライしてほしいと思います。
 大学は、高校までと違い、目標が明確にあります。専門分野に特化して、皆さんの興味、関心の深い学業、研究に取り組んでいくことができます。本学の環境は、ワンキャンパスで、教職員と学生、学生同士など距離感が近く、個人が多数の中に埋没してしまうことは、ほぼありません。十分に活用するか否かは、基本的には、皆さんの自主的な選択に任されています。自分から積極的に探してみれば、日本獣医生命科学大学には、長い伝統の中で形成されてきた学問的・文化的な資産があります。皆さんが、主体的かつ意欲的に学ぼうと望めば、十分に応えることのできる環境が整っています。しかし、他力本願的に、大学が何か手をさしのべるのを待っているだけでは、大学の意義を感じることなく、何もしてくれなかったという不満をもって大学を卒業していくという結果になりかねません。

 多くの新入生の皆さんにとって、これから始まる数年間は、人生において、最も自由に学問や芸術・スポーツなどに取り組み、更に一生の宝となる貴重な人間関係を構築することのできる最後の機会となります。今までは、学習で、問題に対して必ず正解があるという経験を積んできました。しかし、未来に向けて予測できることは、皆さんは、答えのない問題に対して、どのように答えを導き出すかが、求められるような世界に生きていくことになるでしょう。

 学業・研究・部活動・サークル活動・イベント実行委員・ボランティアなどいろいろな体験は、自分の中に眠っているまだ芽が出ていない力を育てるきっかけとなります。それらの過程において、コミュニケーション力、判断力、発想力、リーダーシップなど、いろいろなスキルが身についてきます。多くの経験、体験の蓄積が、無から有を生み出す力になります。失敗を恐れず、臆病にならず、果敢に取り組んでください。

 未来に向けて「ニチジュウミライ図」と名付けた中長期計画を策定いたしました。「様々なものをつなぐ拠点となり、未来をつくる」ことを意味する「Connect with the Future」をミッションとして掲げています。みなさんと一緒に、この大学を「動物と人をつなぎ、都市と地方をつなぐ、獣医・生命科学の情報発信拠点」にしていきましょう。

 日本獣医生命科学大学は、学生が有意義に過ごせるような人的、物理的環境であるよう教職員一同努力していく所存です。皆さんにとって実り多い大学生活となることを祈念して、私からのお祝いと歓迎の挨拶とさせていただきます。

 皆さん、ご入学、誠におめでとうございます。

平成30年4月4日
日本獣医生命科学大学
学長 阿久澤良造