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牧場だより「継・いのち」 第155号 | 富士山マラソン一緒に走りませんか?
第155号:富士山マラソン一緒に走りませんか?
吉村 格 (教授/牧場長)
2016/02/01 更新
過日、富士河口湖町で開催された第4回の「富士山マラソン」に富士アニマルファームの関係者と参加した。午前9時スタート時の気温は3.8度、湿度71%、北北東の風1.7m、少し肌寒かったがマラソンにはもってこいの天気。約9,000人のランナーが大会アンバサダーの瀬古利彦さん・有森裕子さんらの見送りに笑顔で応えながら42.195km先にあるゴールを目指して一斉に走り始めた。私も、湖畔の美しい紅葉と雄大で素晴らしい富士山を堪能しながら爽やかな汗を流す、こんな贅沢な「遊び」は他にないだろう、と余裕のスタートを切った。
が、10kmも行かないうちに「遊び」ではなく「苦行」であることに気づかされる。太腿あたりに乳酸が溜まり足を上げるのがキツくなると心の中で途中棄権を正当化する言葉が並ぶ。いつもそうなのだが私の持久力を鍛えるための練習量では地獄の蓋が開くのは瞬く間だ。いつしか笑顔は消え、湖畔の景色は色褪せ、目線は下にしか向かず富士山は見えない。汗が流れるどころか痰が絡んで息をつくのも大変、心は折れそうになる。それでも去年の記録のことや仲間の走りが気になって、コースに設置されたトイレにも行かず、町民の皆さんが提供する食べ物にも手を出さず、ただひたすらに走ってゴールを目指した。
結果は自己最高記録の3時間45分09秒で走り抜いた。総合順位は8790人中の第1128位、60歳代では422人中21位であった。私はすべてを使い果たしたが、関係者の一人である私の長男は3時間40分、栗田職員は3時間35分でゴールを切った。まだまだ時間短縮はできそうだ。定年退職を数年後に控え、職場でも家庭でも確かに世代交代は進んでいることを実感させられたレースであった。嬉しいやら寂しいやら複雑な忸怩たる気分であるが、後輩達に負けるのも老兵の務めであるならば仕方がない。現役でいる間は「富士山マラソン」に参加することで急速に衰えつつある我が身を律していこうと考えている。
今回、我々は登録名を『日医大 走る会』にして参加した。聞くところによるとこの「富士山マラソン」には何人かの日医大の関係者が参加していたという。それならば次回は一つの旗の下に集結し、可能ならば「チーム医療」を掲げる太子給与厚生課長率いるNMS野球部の如く、弱くとも(失礼!)法人を下支えする健全なグループとして存在感を示したいものだ。そこの貴方! 苦しくとも朗らかにゴールを目指して頑張りませんか。力を合わせて自己記録に挑みませんか。あなたがゴールをすれば私たちも嬉しい。あなたのゴールは私たちに勇気を与えてくれる。「あの達成感」のために一緒に走りませんか?