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第216号:農場実習を振り返り、付属牧場存立の意義を考える

応用生命科学部 動物科学科

2019/10/29 更新

動物科学科 教授 長田 雅宏(システム経営学教室)

 本年度の農場実習は、8月5~8日および9月2~5日の日程で行われました。畜産学を教授する大学には付属牧場の設置基準があり、実習の場・研究の場としてとして実学を教示しています。ここでの実習は初期のトレーニングはもとより、畜産に対する興味や食料生産の大切さを学ぶことができますが、昨今では、多くの大学において規模縮小や飼養家畜が制限され、実習の外部化が進められています。学外実習はフィールドで実際を学び、ファームステイでは農家と価値観を共有し、意識の醸成につながります。しかし、学外実習に頼ることは防疫の問題や、規模を拡大した家族経営に余裕がなくなり、断られることも多くなっています。前号に、畜産業が不向きであることを知る大切さを記しましたが、あえて実習を強いることは先方とのトラブルの原因となり、実際に多くなっています。以前は、「とにかく現場で学べ」と学外実習・演習に重きを置いてきましたが、非常に難しい局面に立たされています。

 連続テレビ小説「なつぞら」で開拓精神を紹介する場面がありました。戦後の食料増産政策、開拓事業によって有畜農業を振興し、日本初の民選知事として名を馳せた元岩手県知事の国分謙吉翁は、「農は国の基本」を信条に、農民が一致団結してこの命題に立ち向かいました。まさに実習の原点がここにあるように思えますが、今はどうでしょうか。輸入農畜産物との妥協点の模索に置き換わり、食料自給率は漸減の途を辿っています。

 このように、時代によって農業政策も変転します。実習の目的も変わり、それもまた然りだと思います。後述の総代に選ばれた学生の寄稿(謝辞をは割愛)にも示されていますが、無知を良しとせずに初めての経験を糧として、一歩前に進ませることが実習の意義ではないでしょうか。改めて付属牧場のあり方、実習をおこなう意義を考えて、「東京発の農業人」の創出に精進いたします。最後に、吉村格先生をはじめ牧場スタッフの皆様、参加いただきました教員の皆様に心より感謝を申し上げます。

動物科学科2年次 川代 瑞穂

 3泊4日の日程で、富士アニマルファームの農場実習に参加しました。実習期間は短かったのですが、早朝の作業を毎日続けることの大変さを感じました。さらに、実際に動物に触れたり観察したりすることで、座学では習得できない「家畜の声」を聞くことができました。各班に分かれて課題である「豚コレラについて」を議論し、班員の考え方や意見を聞くことで、実際を知ることができました。実習を通して様々な場面で自分の知識不足を痛感しましたが、今回の実習で得られたことや講義で学んだことを忘れずに、次の牧場実習に活かせるように頑張りたいと思います。

動物科学科2年次  濵 こなみ

 4日間の農場実習では搾乳や乗馬、ヒツジの毛刈りなど動物と直接触れ合い、視覚や嗅覚、触覚を使いながら観察をしました。飼料や牧草、病気について学び、産業動物を安全かつ健康に飼育するには、幅広い知識と観察力が必要不可欠だと強く感じました。体調不良や発情を見極めるためには、動物の行動や身体の変化をよく観察することが重要であり、実習での経験や教わったことを無駄にせず、将来に繋げていきたいです。

動物科学科2年次 中村 駿太

 農場実習の振り返り、産業動物について学んだり触れたりするだけではなく、それらの動物を飼養する施設や飼料について、さらにはその動物たちをどのように管理をすれば健康に飼養できるかなど、本学では学べない現場の知識を少しですが習得することができました。入学した頃は、主にイヌやネコの授業かと思っていました。しかし実際は、産業動物の授業ばかりで落ち込んでいたことを思い出します。今は授業や実習を重ね、畜産の大切さや興味深さを知り、入学時と変わっている自分自身に気づかされます。実習始めの学科長の挨拶、『みなさんを畜産に興味をもたせます』の言葉が今も心に響いています。