獣医保健看護体験実習は、本学の付属施設である富士アニマルファームにて産業動物と人の関わり合いを、動物医療センターの見学を通して人と動物のあり方や動物看護について学ぶもので、1年生全員が参加する必修科目です。
本学付属牧場の富士アニマルファームにて1泊2日で実施された、獣医保健看護体験実習に参加しました。産業動物たちへの給餌や排泄物の掃除等の牧場作業、搾乳、乳房炎の検査、動物の形態学的特徴の観察などを通して、沢山のことを学ばせていただきました。
▲早朝の牧場作業
犬や猫といったコンパニオンアニマルとは違って普段の生活では目にすることの出来ない牛や羊などの産業動物を目の前にして観察し、座学や写真では得られない多くの学びがありました。特に、心臓の音の聞こえ方を動物種ごとに比較できた事が印象に残りました。また乳房炎の検査については、作業を行うだけでなく検査の仕組みや目的を教えていただいたことで、理解を深めながら責任を持って作業することが出来ました。さらに、富士アニマルファームで働いている方々から、産業動物に関わる上で大変な事なども含めて多くの話を直接お聞きする事ができ、普段の生活の中では知ることができなかった貴重な体験となりました。
▲別日程のグループは牛の出産に立ち会えました
入学して一ヵ月での実習でしたが、班員と協力し意見を出し合い有意義な時間を過ごせました。今回の実習での経験を今後の勉学、実習に活かせるよう努めていきたいと思います。 短い期間ではありましたが、牧場スタッフの方をはじめこの実習に携わってくださった先生方に感謝しています。本当にありがとうございました。
▲班集合写真
今年度はCOVID-19流行以降初めての宿泊による実習を再開いたしました。 宿泊による実習のメリットは、夕方と早朝に実施される搾乳や、給餌などの牧場作業を体験できることであり、ここ数年の日帰り実習では実現できなかった内容になります。
▲萩田助教によるレクチャー
▲牧場作業
実習は5月13日〜14日(前半)と5月16日〜17日(後半)にかけて、2クラス8班に分けて実施しました。牛、羊、山羊などの産業動物に触れ、動物の形態の違いを観察し、搾乳や保定などを体験し、国内の牧場が抱える問題や飼育環境における動物福祉について牧場施設を見ながら説明を受けるなど、多くの学びを得る機会になったものと思われます。また、後半のクラスでは牛の出産に立ち会うことができ、学生達にも分娩介助を手伝ってもらい、命の誕生を目の前に見るという大きな体験をすることができました。
▲出産の瞬間
▲生まれたての仔牛
また、今年3月に竣工した新しいセミナーハウスを本学で一番に獣医保健看護学科が使用することとなりました。宿泊部屋や食堂などが従来のセミナーハウスとは大きく変わり、学生の過ごしやすさがより向上しました。
▲新セミナーハウス外観
▲個人スペースが確保された部屋
三密回避などの解除によるところも大きいと思われますが、往復のバスの移動の際や、食堂スペースで班ごとに実習のまとめを発表してもらった際に大変盛り上がったのも嬉しい出来事でした。入学して1カ月程度の5月に学生同士が交流できる機会としても大変貴重な実習であったと思います。
▲新しい食堂スペースでの班活動
▲牧場からの富士山
この実習を無事行うことができたのは、富士アニマルファームの教職員の皆様のご協力の賜物です。現場であればこその知識に基づいた体験は学生達の大きな学びになっており、あらためて皆様のご理解とご協力に深謝いたします。