獣医学部の同級生、先輩・後輩だけでなく、他の学部の仲間とも密接な繋がりがあることが、現在の仕事をするうえで非常に役立っています。
2008年 獣医学部卒業
2012年 大学院博士課程修了
小動物臨床獣医師を選んだ理由は、私が中学生のときに飼っていた犬が病気で亡くなった経験がきっかけです。その時、自分では何もしてあげることができず、無力さを感じましたが、「将来は苦しんでいる動物達を救えるような獣医師になりたい」という気持ちを強く抱きました。また、父親が獣医師であり、幼い頃から獣医師という職業を意識していました。ただ、「親が獣医師だから自分も獣医師になる」という考えが安直のような気がして、悩んでいた時期もありました。しかし、進路を決める際に高校時代の恩師から「人のためになることが、自分の本当の力を発揮できる。人から信頼される獣医師になれるよう、一生”賢”命勉強しなさい」と背中を押され、本格的に獣医師を志すことにしました。
獣医師の仕事には、犬猫などの伴侶動物獣医師だけでなく、牛、馬、豚、鳥などの産業動物獣医師、野生動物の保護や動物園・水族館での診断、治療を専門とする獣医師、公衆衛生分野に関わる人獣共通感染症の予防や食品の安全を守る公務員獣医師、薬品の製造・開発など、さまざまな分野で活躍できる場所があります。どれも非常に興味があったのですが、大学の研修時代に小動物臨床現場で動物が元気になっていく姿をみるのと同時に、その家族の方も笑顔になっていたことが印象的でした。単に病気を治すだけでなく、動物の家族の不安を取り除き、動物もその家族も「幸せ」になってもらうこと、これこそ私たち伴侶動物獣医師の使命だと考えています。また、伴侶動物医療は絶えず進化しており、常にその進歩状況を把握しておかなければなりません。自ら情報を収集し、思考し、情報を発信する必要もあるため、獣医師は「一生勉強」であると考えています。
日々の臨床現場において、治療が奏功したとき、動物の家族の方から「ありがとう」と感謝の言葉をかけてくれます。獣医師は人から感謝される仕事であり、やいがいのある素晴らしい職業です。
小動物臨床獣医師は、動物の診断・治療以外にも、その動物の家族とも密接に関わる職業です。そのため、しばしば人間の小児科医に例えられます。動物達は言葉を話すことができないため、家族の方からの情報と動物を診察して得られた所見から診断・治療を行います。人の医師との違いは、小動物臨床獣医師は、0歳から終末期ケアまで幅広く、1つの病院で全ての科を総合的に診察しています。犬猫以外にもウサギ、ハムスター、小鳥やハリネズミなど、様々な動物の病気を診ることができます。最近では、人の医師と同様に、より専門性を高めた獣医師も存在し、診療対象動物の幅広さと高い専門性という2つの特徴を持つことも可能です。
学部学生時代には、サッカー部に所属し体を動かしたり、アルバイトや遊びなど、学生ならではの様々な経験をしてきました。これらの経験を通じて、多くの仲間と出会い、刺激的で学びの多い学生生活を過ごすことができました。
3年生からは放射線学教室に入室して神経病学の研究に没頭しておりました。現在では当たり前のように活用されている高度な画像診断装置であるCTやMRI装置を用いて、脳の世界に魅了され、毎日研究室に入り浸っていました。優秀な学生とはいえなかったかもしれませんが、獣医学部の同級生、先輩・後輩だけでなく、他の学部の仲間とも密接な繋がりがあることが、現在の仕事をするうえで非常に役立っていると思います。