令和8年度 武蔵野市寄付講座
講座名「科学史・獣医史学」:人と動物がつくった社会の歴史
科学は単なる発見や発明の積み重ねではなく、人々の世界観や政治、技術革新、そして価値判断と深く結びつく「文化的営み」です。古代ギリシャの自然哲学から東洋医学、イスラム科学、産業技術の発展、生命科学、近代医学、公衆衛生の成立へとつながる歴史の流れをめぐりながら、私たちが今日「科学」と呼んでいるものを相対化し、より広い視野で捉え直します。
後半では、人と動物の関係が社会をどのように形づくってきたのかを、獣医史学の観点から考えます。動物愛護や動物観の変遷、感染症との闘いが生んだ制度や知識、家畜の疾病が国家や国際社会に与えた影響、そして日本の獣医学教育がどのように育ってきたかをたどり、動物をめぐる社会の姿を浮かび上がらせます。狂犬病や牛疫、口蹄疫、BSEといった重大な疾病の経験は、今日の科学的判断や政策、動物福祉の考え方につながっています。
科学史と獣医史学を通して学ぶのは、過去の知識だけではありません。歴史を振り返ることで、科学が社会とどう関わり、どのような選択の上に現在があるのかを理解し、これからの科学と獣医療をどのような方向に導くべきかを考える視点を養います。
- 期 間 : 令和8年4月14日~令和8年7月21日 全14回
- 曜日・時間 : 火曜日 13時00分~14時40分
- 会 場 : 日本獣医生命科学大学 第一校舎 E棟1階 111講義室
※申込方法、その他詳細は「武蔵野地域自由大学」HPをご覧ください
| 1 | 4月14日 | 科学史を学ぶ意味と古代ギリシャの科学哲学 |
| 2 | 4月21日 | 東洋医学と哲学的背景 |
| 3 | 4月28日 | 中世イスラム科学とヨーロッパへの伝播 |
| 4 | 5月12日 | 近代科学の広がり ― 産業と政治 |
| 5 | 5月19日 | 近代医学と公衆衛生 | 6 | 5月26日 | 19世紀生命科学の総合と20世紀の戦争 |
| 7 | 6月2日 | 動物愛護史 - 生類憐みの令は愛護令? - |
| 8 | 6月9日 | 狂犬病とその対策の歴史 |
| 9 | 6月16日 | 牛疫の歴史と近代獣医学発達史 |
| 10 | 6月23日 | 動物園の歴史 |
| 11 | 6月30日 | 日本における近代獣医学教育史(1) |
| 12 | 7月7日 | 日本における近代獣医学教育史(2) |
| 13 | 7月14日 | 口蹄疫(FMD)の歴史 |
| 14 | 7月21日 | 牛海綿状脳症(BSE)の歴史 |
