卒業生インタビュー

産業動物

研究室では臨床とは異なる応用研究に没頭しました。先生方が温かくフォローしつつ、好きなことをとことんやらせてくださったおかげで、4年間で「やり切った!」と胸を張れるほど自由に学べました。

島川 慶さん

株式会社益田大動物診療所

2025年3月卒業

この仕事を選んだ理由は何ですか?

幼い頃から動物が好きで、将来は獣医師になりたいと思っていました。念願叶って大学に入学した後、実習や先輩方の話を通じて、獣医師には多様な働き方があることを知りました。
その中で強く惹かれたのが、肉や牛乳などを安全に食卓へ届ける「産業動物獣医師」の存在です。生産者の方々に寄り添い、動物たちの健康と人々の食の安全を守る先生方の姿がとても格好良く、また、食の安全を守ることで動物を飼育している人以外にも寄与できる仕事であることに魅力を感じ、自分もこの道へ進もうと決意しました。

仕事の内容を教えてください。

僕は主に肉牛の診療を行なっています。益田大動物診療所は、他の多くの大動物診療施設と違い、農場のすべての牛の健康状態を毎日獣医師が確認しています。そのため、診療は農家の方に依頼を受けた体調の悪い牛を診察するのではなく、体調の悪い牛を見つけるところから始まります。毎日決められた牛舎を回り、たくさんの牛の中から具合の悪そうな牛を見つけたらその場ですぐに診断し治療を開始します。同じ疾患でも、同じ治療法ではうまくいかないこともあります。出荷のタイミングや農場の利益を優先して治療を行わなければいけない場面もあり、投薬、外科手術、輸血など、小動物臨床と比べたら限られたことしかできませんが、その中からそれぞれの個体の最適解を選ばなければなりません。
 症例によっては、糞便、血液、乳汁等を採取して診療所に持ち帰り、検査を行います。一般的な糞便検査や血液検査、細菌培養検査に加えて、PCR検査も自分で行います。

仕事のやりがいを教えてください。

この仕事の一番のやりがいは、言葉を持たない牛たちのわずかな異変を自分で捉え、命を救えた瞬間の達成感です。牛は農家の方にとって大切な財産です。そのため、単に病気を治すだけでなく、出荷時期や経営への影響も考慮しながら、ベストな治療法を導き出すことに面白さを感じています。だからこそ、治療がうまくいったときの喜びはひとしおです。治療に苦戦すればするほど、その牛が無事に出荷を迎えられたときの嬉しさは何物にも代えがたく、大きなやりがいになっています。

学生の時、打ち込んだことは何ですか?

大動物獣医師を目指す中で地方就職を見据え、「地方でできる趣味を」と始めた釣りにドハマりしました。学生時代から海へ通っていましたが、就職した島根県の豊かな自然と、社会人のゆとりも手伝い、今の方がさらに熱中しています。
 一方、研究室では臨床とは異なる応用研究に没頭しました。先生方が温かくフォローしつつ、好きなことをとことんやらせてくださったおかげで、4年間で「やり切った!」と胸を張れるほど自由に学べました。この大学には、そんな学生の熱意を受け止めてくれる素晴らしい先生方がいます。大学時代は海と研究室の往復でしたが、一遍の悔いもありません。とても充実した大学生活でした。