卒業生インタビュー

公務員

病気を理解するためには解剖学や生理学などの基礎科目だけでなく、内科学などの臨床科目も勉強するため、高学年の定期試験だけでなく、国家試験などにも非常に役立ちました。

木下 那由多さん

東京都芝浦食肉衛生検査所

2023年3月卒業

この仕事を選んだ理由は何ですか?

私は学生時代に食肉衛生検査所と家畜保健衛生所に見学に行きました。大学時代に学んだ病理学の知識やスキルを活かせると考えたからです。見学に行かせていただいた場所の職員の方は、自分の仕事に対してやりがいを感じていて、楽しそうに働いている姿がとても魅力的でした。公務員の獣医師がどのような仕事をしているのかはインターネットで調べても分かりにくい部分がありましたが、実際に見学に行って見て、話を聞いて獣医師として人の健康に貢献する仕事(公衆衛生行政)に携わりたいと考えました。
東京都のように人口が多く、都民だけでなく全国から注目されている場所で食の安全性確保や動物由来感染症対策などの公衆衛生行政の分野で働く事にやりがいを感じたので、公務員獣医師になる事を決めました。

仕事の内容を教えてください。

私は現在、東京都芝浦食肉衛生検査所でと畜検査をしています。と畜検査とは生きている牛や豚などの家畜を食用にするために病気などがないかを見つける検査のことで、この検査は獣医師であると畜検査員によってのみ行われています。私は豚の検査を担当しており、1頭毎に生体検査、解体前検査、解体後検査を実施しています。生体検査は、目で見る望診、手で触れて行う触診、必要に応じて聴診器や体温計等の器具を用いて行う聴診や打診、検温等の方法により、豚に異常がないかどうかを検査しています。解体前検査は、望診と触診を行っています。解体後検査では、家畜の頭部及び枝肉、内臓をそれぞれ望診及び触診、各臓器等を切開して観察する望診を行っています。肉眼検査だけでは判断が難しい場合には、微生物検査、理化学検査、病理検査を行い、合格とするかどうか総合的に判断しています。

仕事のやりがいを教えてください。

と畜検査を行っても生産者や購買者から感謝の言葉をかけられることはありませんが、自分が検査し、合格と判断した豚が近所のスーパーで販売されているのをみると自分の仕事に対してやりがいを感じます。
通常業務のほかにも、と畜検査の際に遭遇する牛や豚の疾病の研究やと畜場作業員や内臓処理業者が衛生的に作業するためにはどのような指導をしたらよいかなどの調査研究を行っています。大学時代の研究に比べて、様々な視点から問題を解決する力が求められています。特に行政としての立場から生産者、と畜場作業者、内臓処理業者へフィードバックできるかが求められています。
自分たちが行った調査研究の成果を東京都内外の研修会で発表していて、特に若い職員は発表する機会に恵まれています。

学生の時、打ち込んだことは何ですか?

私が大学時代に打ち込んだ事は研究室活動です。私は獣医病理学研究室に所属していました。獣医病理学研究室では、犬、猫、牛、馬、豚だけでなくトカゲやノスリ、アヒルなど様々な動物の解剖や臨床医の依頼による病気の検査を行い、亡くなった動物の死因の究明や病変の診断を行ってきました。
研究室に入ったら研究室の先生方や先輩に病理標本の見方や考え方、標本作製の方法を一から丁寧に教えて頂きました。病理学研究室は下級生がメインで検体を担当することが多く、下級生のうちから色々な病気を勉強することができました。学生の自分では分からない症例については専門資格を有する先生に聞くことが可能で、先生と様々な症例についてディスカッションしたことを覚えています。
病気を理解するためには解剖学や生理学などの基礎科目だけでなく、内科学などの臨床科目も勉強するため、高学年の定期試験だけでなく、国家試験などにも非常に役立ちました。