卒業生インタビュー

公務員

動物愛護センターには様々な理由で犬猫が収容されますが、出来得る限り馴致・治療・手術などを行い、譲渡に繋げていくこの業務は「命を救う仕事」の最前線であると感じますし、そこに大きなやりがいを感じます。

永冨 豪人さん

福島県動物愛護センター

2020年3月卒業

この仕事を選んだ理由は何ですか?

私が獣医師を目指したきっかけは、小学校の頃に読んでいた「WILD LIFE」という漫画でした。その頃から漠然と、獣医師になることが出来た暁には、臨床獣医師として働くことを夢見ていました。

しかしながら6年間の大学生活の中で、またいくつかの動物病院にインターンシップ生として勉強をしていく中で、獣医師として動物病院で勤務をすることは想像以上に大変であり、人生の多くの時間を費やさなければならないことを学びました。

いわゆるワークライフバランスを重視したかった私は、次第に臨床獣医師以外の仕事にも目を向けるようになり、特に大学で勉強した内容で興味が強かった「獣医公衆衛生学」、「獣医行動学」と関連性の高い職種である公務員獣医師(公衆衛生)になることを決断しました。

仕事の内容を教えてください。

当所の業務内容は幅広く、代表的なものであれば、収容した犬猫の健康管理や不妊去勢手術、収容した犬猫の譲渡事務や犬猫の紹介動画・HPの作成、迷い犬の抑留、動物に関する苦情の対応、ペットショップなどの第一種動物取扱業登録施設の監視及びその登録事務、小学校での犬猫とのふれ合い授業の実施、などがあります。

また県職員であるため他公所への転勤がありますが、保健所や食肉衛生検査所へ異動となった場合は、と畜検査や食鳥検査も行います。

公務員獣医師というと、「苦情対応が大変そう」とか「殺処分するのは辛そう」といったイメージが強いかと思いますが、そういった業務はごく一部で、実際には上述のように様々な業務に携わります。

もちろん、怪我の程度が重度の個体などは、安楽死処分を行わなければならないこともあります。しかし、それを行えるのも、我々獣医師のみであるため、私は誇りをもって実施しています。

仕事のやりがいを教えてください。

最もやりがいを感じる業務といえば、やはり犬猫の譲渡業務となります。

「迷子になった」もしくは「捨てられてしまった」犬、無責任に餌を与えたことで増えてしまった猫や、交通事故にあって保護された猫など、動物愛護センターには様々な理由で犬猫が収容されます。そのため、中には人に対し攻撃性が強かったり、病気を持っていたり、今すぐに治療を行わなければ亡くなってしまうような状態の個体もいます。

そのような犬猫をすぐに殺処分するのは簡単ですが、出来得る限り馴致・治療・手術などを行い、譲渡に繋げていくこの業務は「命を救う仕事」の最前線であると感じますし、そこに大きなやりがいを感じます。

また当所では、より早く里親が見つかるよう、可能な限り不妊去勢手術を施した上で里親の募集を開始しますが、手術を行う度、自身の手技がより速く正確になっていくのを感じることができ、最近は楽しささえ覚えます。

学生の時、打ち込んだことは何ですか?

私は実家に金銭の余裕がない状態で入学したため、自身の生活費(住居費)はほぼ全て自分で稼ぐ必要がありました。国から奨学金も借りましたが、それでも足りないため、放課後はアルバイトをしていることが多かったです。

「研究に打ち込んでいた」ような話と比べると華やかさがないですが、色んなアルバイトを経験したことで、社会一般常識や電話対応など、基本的な仕事やり方を学生時代に覚えることができ、県職員として業務を始めた際もすぐに仕事に馴染むことができたため、複数の先輩からも驚かれたことを覚えています。

獣医学科は6年間あり、4年生以降は研究や実習などで忙しくなりがちですが、それでもアルバイトをする時間は十分に捻出できるので、もしこの記事を読んでいて、経済面の不安で獣医師の夢を諦めることを考えている人がいるならば、是非諦めないで、挑戦してみてください。その先にきっと、充足した人生が待っているかと思います。