卒業生インタビュー

民間企業

実験結果をもとに仮説を立て、検証を重ねる研究のサイクルに魅力を感じたことが、現在の仕事を志すきっかけにもなりました。

笹島 帆正さん

ロート製薬株式会社

2023年3月卒業

この仕事を選んだ理由は何ですか?

学生時代は獣医生理学研究室に所属し、実験動物を用いた研究に取り組んでいました。実験結果を考察し、新たな仮説を立てて検証を重ねるという研究のサイクルに魅力を感じ、基礎研究の面白さを実感したことが、企業の研究職を志したきっかけです。その中でもロート製薬は、日頃から自分や家族、友人など身近な人が使う製品を数多く手掛けており、その開発に携われることに大きな魅力を感じて入社を決めました。研究職の中でも私が安全性評価部門に関心を持ったのは、大学で培った研究経験を活かしながら、お客様へ安心・安全な製品を届けるという社会的意義の大きい仕事だからです。製品開発の最後の砦として、時には勇気を持って厳しい意見を発信することも求められますが、その責任の重さにやりがいを感じながら日々業務に取り組んでいます。

仕事の内容を教えてください。

現在はロート製薬で、安全性評価における動物実験代替法の構築・運用を主な業務としています。2013年にはEUで化粧品の動物実験と、動物実験を行った化粧品の販売が全面禁止となり、日本でも動物実験を行わない企業が増えています。そのため、細胞実験や分析技術などを用いて、動物実験と同等の安全性を評価できる仕組みを構築し、社内で運用していくことが重要な役割の一つです。また、新製品の開発段階から開発部門と連携し、原料や処方の安全性、試験計画について議論を重ねながら、安全性を担保するための評価戦略を設計しています。最終的には得られた試験結果を科学的に評価し、製品を安心してお客様へ届けられるかを判断することも重要な仕事です。研究開発から製品化まで幅広い部門と関わりながら、安全性という観点で製品開発を支える役割を担っています。

仕事のやりがいを教えてください。

業務の中で、獣医療業界とのつながりや社会への貢献を実感できる瞬間に最もやりがいを感じます。イヌ向けのサプリメントやスキンケア用品の安全性評価を担当した際には、企画段階から発売まで一貫して携わることができました。実際に製品を使用した獣医師や飼い主の方々から「使って良かった」という声を聞いたときは、自分の仕事がペットの健康と安全だけでなく、その周囲を取り巻く人も支えていることを実感し、大きな喜びを感じました。また、獣医療やペットを取り巻く課題は、獣医学を学んだからこそ気づくことができたものだと考えています。その課題を民間企業の中に持ち込み、新しい技術や製品、サービスという形で解決し、再び獣医療業界へ還元していくことは、企業で働く獣医師だからこそ果たせる役割です。臨床とは異なる立場から獣医療に貢献できることが、この仕事の大きなやりがいです。

学生の時、打ち込んだことは何ですか?

学生時代に最も打ち込んだことは研究室活動です。実験結果をもとに仮説を立て、検証を重ねる研究のサイクルに魅力を感じたことが、現在の仕事を志すきっかけにもなりました。コロナ禍の影響で思うように研究を進められない時期もありましたが、試行錯誤を重ねながら研究に取り組み、学会発表という貴重な経験を得ることができました。この経験は私にとって大きな自信となり、ご指導いただいた先生方や研究室の皆様には今でも感謝しています。また、就職活動ではさまざまな企業の説明会やインターンシップに参加し、多様な働き方や価値観に触れることで、自分がどのような形で社会や獣医療に貢献したいのかを深く考える機会となりました。動物病院を志す方も、将来の選択肢を広げるために、一度企業の就職活動を経験してみることをお勧めします。